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子息
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しそく
熟々見て
最不審氣にお前は
若や藤崎道十郎殿の御
子息の道之助殿では御座らぬかと
云聲聞て後家のお光は心
嬉しく夫の名を
指れしにぞ左仲はグツと
再度閉口の樣子ゆゑ
良あつて内記殿何は
兎もあれ藤五郎兄弟の者の
行方又家來兩人の
在所とも早々尋ぬべし此義
考ふるに
渠等兩人の者主人の
子息を
大岡越前守殿是を
聞れコリヤ九郎兵衞云願書の
趣きにては
嘸かし
無念に有ん如何にも不便のことなり女房
深も一人の
子息を殺され
老行夫婦の
路頭に
迷ふは後世の杖を
奪れ
嬰兒の
乳房を