子息しそく)” の例文
熟々つく/″\見ていと不審氣いぶかしげにお前はもしや藤崎道十郎殿の御子息しそくの道之助殿では御座らぬかといふこゑ聞て後家のお光は心うれしく夫の名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかるに御老職ごらうしよく末席ばつせきなる恩田杢殿方おんだもくどのかた一家内いつかないをさまり、妻女さいぢよていに、子息しそくかうに、奴婢ぬひともがらみなちうに、陶然たうぜんとして無事ぶじなることあたか元日ぐわんじつごとくらされさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さゝれしにぞ左仲はグツと再度ふたゝび閉口へいこうの樣子ゆゑやゝあつて内記殿何はもあれ藤五郎兄弟の者の行方ゆくへ又家來兩人の在所ありかとも早々尋ぬべし此義かんがふるに渠等かれら兩人の者主人の子息しそく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大岡越前守殿おほをかゑちぜんのかみどの是をきかれコリヤ九郎兵衞云願書のおもむきにてはさぞかし無念むねんに有ん如何にも不便のことなり女房ふかも一人の子息しそくを殺され老行おいゆく夫婦の路頭ろとうまよふは後世の杖をうばは嬰兒えいじ乳房ちぶさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)