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壕
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ごう
ふりがな文庫
“
壕
(
ごう
)” の例文
ところが、敵が正攻法による包囲を選んで、最初の平行
壕
(
ごう
)
を
開鑿
(
かいさく
)
するのを見ると、その識者連が大喜びに喜んで、安心したという話です。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
山の横腹に掘りかけて、
凹字
(
おうじ
)
形が六七分できた頃に打ちすてられた
壕
(
ごう
)
の一番奥のところ。土と岩の入れまじった黒い壁と床。
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
谷のうちを見わたすに諸所に
柵
(
さく
)
あり
壕
(
ごう
)
あり、また新しき
寨門
(
さいもん
)
や糧倉などは見えますが、守備の兵はことごとく南山の一峰へ逃げ退いているようです。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日の昼、
霧雨
(
きりさめ
)
の中を谷山に着いた。
壕
(
ごう
)
の中は湿気に満ち、空気は濁っていた。暗号室は、壕の一番奥にあった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
人々はかたずをのんで、的の下の
壕
(
ごう
)
からの合い図を待ちました。赤い旗が出て上下に
振
(
ふ
)
れば十点、黒い円形の
弾痕指示器
(
だんこんしじき
)
が出て左右に
振
(
ふ
)
れば
零点
(
れいてん
)
なのです。
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
わたしの家は光線で
歪
(
ゆが
)
んだ。火は近くまで燃えていた。わたしの夫が死んだのを知ったのは三日目のことだった。わたしの
息子
(
むすこ
)
はわたしと一緒に
壕
(
ごう
)
に隠れた。
鎮魂歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
敵機来襲の時には、妻が下の男の子を背負い、私は上の女の子を抱いて、防空
壕
(
ごう
)
に飛び込みます。
春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
一日のうちなん度も、仕事を投げだして防空
壕
(
ごう
)
の中へとびこまなければならない、すさまじい落下音を聞き、
炸裂
(
さくれつ
)
する爆弾の震動に身を揺すられ、戦闘機の掃射弾を浴びた。
四年間
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
空襲のサイレンとともに背負って
壕
(
ごう
)
へ入る。いざというときはこれだけを持って
火焔
(
かえん
)
の中を逃れようと覚悟していた。むろん最後の場合には、原稿は僕の肉体とともに消え去るであろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
壕
(
ごう
)
にすみ、雨にぬれ、行きたくても行き場がないよとこぼしていたが、そういう人もいたかも知れぬが、然し、あの生活に妙な
落付
(
おちつき
)
と
訣別
(
けつべつ
)
しがたい愛情を感じだしていた人間も少くなかった筈で
堕落論〔続堕落論〕
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
あの夜、火の手はすぐ近くまで襲って来るので、病気の義兄は動かせなかったが、姉たちは
壕
(
ごう
)
の中で
戦
(
おのの
)
きつづけた。それからまた、先日の
颱風
(
たいふう
)
もここでは大変だった。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「すべての陣門を敵へ開け。
射手
(
いて
)
はみな
壕
(
ごう
)
の中に身を伏せろ。旗は
潜
(
ひそ
)
め、鼓は
休
(
や
)
めよ。そして、林のように、
寂
(
せき
)
として、たとい敵が眼に映るところまで来てもかならず動くな」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
審判官殿
(
しんぱんかんどの
)
。
私
(
わたくし
)
はたしかに三回とも的を
射
(
い
)
あてました。けれども、それは
壕
(
ごう
)
の中にいる人にわからなかったのであります。第二第三の
弾丸
(
たま
)
は第一の弾丸のつらぬいたあなを通ったはずです。
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
高射砲の
炸裂
(
さくれつ
)
する音が遠くで聞えた、丘にくり抜かれている横穴の
壕
(
ごう
)
へ人々は這入って行った。
死のなかの風景
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
兵はみな不用意に城壁へつかまり、
常雕
(
じょうちょう
)
も
壕
(
ごう
)
のきわまで馬を出して下知していた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四人はあたふたと庭の
壕
(
ごう
)
へ身を潜めた。密雲の空は容易に明けようともせず、爆音はつぎつぎにききとれた。もののかたちがはっきり見えはじめたころ
漸
(
ようや
)
く空襲解除となった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
……それから日没の街を
憮然
(
ぶぜん
)
と歩いている彼の姿がよく見かけられた。街はつぎつぎに建ものが取払われてゆくので、思いがけぬところに広場がのぞき、粗末な土の
壕
(
ごう
)
が
蹲
(
うずくま
)
っていた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
壕
漢検準1級
部首:⼟
17画
“壕”を含む語句
塹壕
防空壕
空壕
壕舎
壕塁
塁壕
壕端
外壕
地下壕
待避壕
市民防空壕
鋸歯壕
城壕
散兵壕
掩壕
掩体壕
御壕端
廓壕
入壕証
壕水
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