“四筋(よすぢ)” の例文
「おゝ痛(いて)えまあ」と顏(かほ)を蹙(しか)めて引(ひ)かれる儘(まゝ)に首(くび)を傾(かたぶ)けていつた。亂(みだ)れた髮(かみ)の三筋(みすぢ)四筋(よすぢ)が手拭(てぬぐひ)と共(とも)に強(つよ)く引(ひ)かれたのである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
曙(あけぼの)は知(し)らず、黄昏(たそがれ)に此(こ)の森(もり)の中(なか)辿(たど)ることありしが、幹(みき)に葉(は)に茜(あかね)さす夕日(ゆふひ)三筋(みすぢ)四筋(よすぢ)、梢(こずゑ)には羅(うすもの)の靄(もや)を籠(こ)めて、茄子畑(なすばたけ)の根(ね)は暗(くら)く、其(そ)の花(はな)も小(ちひ)さき實(み)となりつ。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其葉(は)には、放肆(ほうし)な白(しろ)い縞(しま)が、三筋(みすぢ)か四筋(よすぢ)、長(なが)く乱(みだ)れてゐた。代助が見るたびに、擬宝珠(ぎぼしゆ)の葉(は)は延(の)びて行く様に思はれた。さうして、それと共に白(しろ)い縞(しま)も、自由に拘束なく、延(の)びる様な気がした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)