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みぎがは
二人は四丁目の
角を切り通しの方へ折れた。三十間程行くと、
右側に大きな西洋館がある。美禰子は其前に
留つた。帯の間から
薄い帳面と、
印形を
出して
宗助は
駿河臺下で
電車を
降りた。
降りるとすぐ
右側の
窓硝子の
中に
美しく
並べてある
洋書に
眼が
付いた。
「野々宮さんの部屋はね、其
角を
曲つて
突き
当つて、又左へ
曲がつて、二番目の
右側です」
二人のゐる所は高く池の
中に突き出してゐる。此
丘とは丸で
縁のない小山が一段低く、
右側を走つてゐる。大きな松と、御殿の
一角と、運動会の幕の一部と、なだらな芝生が見える。
彼は
弱味のある
自分に
恐れを
抱きつゝ、
入口を
出て
冷たい
廊下へ
足を
踏み
出した。
廊下は
長く
續いた。
右側にある
室は
悉く
暗かつた。
角を
二つ
折れ
曲ると、
向の
外れの
障子に
灯影が
差した。