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叱咜
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しつた
ふりがな文庫
“
叱咜
(
しつた
)” の例文
「おのれ、長二ツ」と篠田は我と我が心を
大喝
(
だいかつ
)
叱咜
(
しつた
)
して、
嚇
(
かく
)
とばかり
眼
(
まなこ
)
を開けり、
重畳
(
ちようでふ
)
たる灰色の雲破れて、
武甲
(
ぶかふ
)
の高根、雪に輝く
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
後から續くのは、八五郎自慢の
叱咜
(
しつた
)
です。大きい影は、この形勢を見ると、小さい影を突放して、キラリと一刀を拔きました。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
現
(
げ
)
に類想、個想、小天地想の別だに知らで、批評の業に從ふ
輩
(
ともがら
)
は、かく
叱咜
(
しつた
)
せられむも可なるべし。然れども彼三派に優劣なしと見よといはばいかに。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
宇内
(
うだい
)
を
睥睨
(
へいげい
)
し、日月を
叱咜
(
しつた
)
せし、古来の英雄何すれぞ墳墓の前に
弱兎
(
じやくと
)
の如くなる。誰か不朽といふ字を字書の中に置きて、
而
(
しか
)
して世の俗眼者流をして
縦
(
ほしいまゝ
)
に流用せしめたる。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
然しそれらの
叱咜
(
しつた
)
それらの激勵、それらの同情は果して何れだけその不幸なる青年の境遇を變へてくれるだらうか。のみならず私は又次のやうな事も考へなければならなかつた。
歌のいろ/\
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
悠然
(
いうぜん
)
と
車上
(
しやじよう
)
に
搆
(
かま
)
へ
込
(
こ
)
んで
四方
(
しはう
)
を
睥睨
(
へいげい
)
しつゝ
駆
(
か
)
けさせる時は
往来
(
わうらい
)
の
奴
(
やつ
)
が
邪魔
(
じやま
)
でならない右へ
避
(
よ
)
け左へ
避
(
さ
)
け、ひよろひよろもので
往来
(
わうらい
)
を
叱咜
(
しつた
)
されつゝ歩く時は
車上
(
しやじよう
)
の奴
が
(
やつ
)
が
癇癪
(
かんしやく
)
でならない。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
八五郎の
叱咜
(
しつた
)
と、
刄
(
やいば
)
と十手の
相搏
(
あひう
)
つ音が、明るい眞晝の空氣に、ジーンと響きます。平次を先頭に皆んな飛んで行きました。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お越は絹を
裂
(
さ
)
くやうな
叱咜
(
しつた
)
と共に、二階の奧の一と間、有明の光のほのかに搖れる障子をパツと、
蹴開
(
けあ
)
けたのです。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
壇の中央、焔の眞ん中に立ち上がつた東海坊は、高々と數珠を打振り/\、
虎髮
(
こはつ
)
をなびかせて
叱咜
(
しつた
)
するのです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
叱咜
(
しつた
)
する平次、一座は思はず逃腰になつて、この不思議なクライマツクスを見詰めて居ります。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の
叱咜
(
しつた
)
につれて、八五郎の身體は獵犬のやうに動きます。幸ひの月夜、
疾風
(
しつぷう
)
の如く逃げ廻る曲者は、次第に逃げ路を失つて、平次と八五郎の狹めて行く輪の中に入ります。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
物凄い
呪
(
のろひ
)
の
叱咜
(
しつた
)
を浴びて、あやめは暴風の前の草花のやうに大地に崩折れました。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曲者は一刀を
脇構
(
わきがま
)
へに
叱咜
(
しつた
)
しました。恐ろしく
精悍
(
せいかん
)
な感じのする中年男です。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
左陣は
叱咜
(
しつた
)
します。その後ろから心配さうに覗くのはガラツ八の顏です。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
叱咜
(
しつた
)
するのは、ツイ今しがた浪宅の六疊で聲のした親分の平次です。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時、家の外では、八五郎の
叱咜
(
しつた
)
が夜空に響いて高鳴ります。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はそれを闇の中に迎へて
叱咜
(
しつた
)
します。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
赤井左門の
叱咜
(
しつた
)
を
的面
(
まとも
)
に受けて
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“叱咜”の意味
《名詞》
叱 咜(しった)
大声で叱ること。
大声で励ますこと。
(出典:Wiktionary)
叱
部首:⼝
5画
咜
部首:⼝
8画
“叱”で始まる語句
叱
叱咤
叱言
叱責
叱呼
叱正
叱声
叱々
叱陀
叱付