いたは)” の例文
おつぎは卯平うへいいたはるにはいく勘次かんじ八釜敷やかましくても一々ことわりをいうてはなかつた。勘次かんじはおつぎが暫時しばしでもなくなると假令たとひ卯平うへいそばるとはつても
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何故なんで彼様あんねえ目のかたきにしるだんべえ?」と椋は不審に思つて、出来るだけ娘をいたはつてつてゐた。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
勘次かんじこゝろからやうや瘡痍きずいたはつた。かれ平生いつもになくそれを放任うつちやつてけば生涯しやうがい畸形かたわりはしないかといふうれひをすらいだいた。さうしてかれ鬼怒川きぬがはえて醫者いしやもと與吉よきちれてはしつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おまへ兄貴あにきだな、そんぢやえゝ、徒勞むだだ」といたはなたしめた。百姓ひやくしやう骨肉こつにくいたはりがさけをぎつとちからめてかせない。そんなおもひきつた手段しゆだんくははることは出來できないのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)