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其處等
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そこいら
彌次郎が
其の
時代には
夢にも
室氣枕の
事などは
思ふまい、と
其處等を
眗すと、
又一人々々が、
風船を
頭に
括つて、ふはり/\と
浮いて
居る
形もある。
創業の
際ではあるし、
成るたけ
金を
使はないで、
吉原に
居た
時なんぞと
異つて、
總てに
經濟にしてやらなくちや
可かんと
云ふので、それから
其の
女房に、
娘がついて、
其處等をその、ブラ/\と
何か
知りませんけれども、
幾らも
其處等に
居るものの、
不斷は
目に
見えない、
此の
空氣に
紛れて
隱れて
居るのが、
然うして
塵も
透通るやうな
心持に
成つたので、
自分に
見えるのだらうと
思ひました。
「
何處か
其處等へ
連れて
行つて
見たらば
何うだね。」