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におうもん
ふりがな文庫
“
仁王門
(
におうもん
)” の例文
前の
仁王門
(
におうもん
)
の
大提灯
(
おおじょうちん
)
。大提灯は次第に上へあがり、前のように
仲店
(
なかみせ
)
を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消え
失
(
う
)
せない。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
殊に
仁王門
(
におうもん
)
を這入って
右手
(
めて
)
の、五重の塔、
経堂
(
きょうどう
)
、ぬれ仏、
弁天山
(
べんてんやま
)
にかけての一
区劃
(
くかく
)
は、宵の内からほとんど人通りがなかった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
本堂の中にと消えた若い芸者の姿は再び階段の下に現れて
仁王門
(
におうもん
)
の方へと、
素足
(
すあし
)
の指先に
突掛
(
つっか
)
けた
吾妻下駄
(
あずまげた
)
を
内輪
(
うちわ
)
に軽く踏みながら歩いて行く。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それでも彼は
諦
(
あきら
)
められないので、
仁王門
(
におうもん
)
の方へも往き、池の
周囲
(
まわり
)
にも往って探したが、とうとう見つからなかった。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お庄はここまで来ると、急に心が鈍ったようになって、渋くる足をのろのろと運んでいたが、するうちに、堂の方を拝むようにして、やがて
仁王門
(
におうもん
)
を
潜
(
くぐ
)
った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「一日も欠かしません。その上、引いた御神籤を八つに畳んで、
仁王門
(
におうもん
)
外の
粂
(
くめ
)
の
平内
(
へいない
)
様の
格子
(
こうし
)
に結わえる」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょうど
仁王門
(
におうもん
)
の手前——その手前までさしかかったところで、はしなくも向こうから日本橋あたりのお
店者
(
たなもの
)
らしい若い男が、お参りをすまして帰ってきたのに行き合わせると
右門捕物帖:06 なぞの八卦見
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
家の子村の妙泉寺はこの
界隈
(
かいわい
)
に名高き寺ながら、今は
仁王門
(
におうもん
)
と本堂のみに、昔のおもかげを残して境内は
塵
(
ちり
)
を払う人もない。ことに本堂は屋根の中ほど脱落して屋根地の竹が見えてる。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
新
花屋敷
(
はなやしき
)
が出来て、いろいろの動物が来たり、菊人形が呼び物になったのは、ずっと後のことです。一廻りしますと仲見世へ出ます。
仁王門
(
におうもん
)
から
広小路
(
ひろこうじ
)
まで、小さな店がぎっしりと並んでいます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「妙にケバ/\しい
仁王門
(
におうもん
)
が出来たね。
鉄筋
(
てっきん
)
コンクリートか知ら?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その頃はまだ
仁王門
(
におうもん
)
も
藁葺
(
わらぶき
)
屋根で、『ぬれて行く人もをかしや雨の
萩
(
はぎ
)
』と云う
芭蕉翁
(
ばしょうおう
)
の名高い句碑が萩の中に残っている、いかにも風雅な所でしたから
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、歩いているうちに
千束町
(
せんぞくちょう
)
の造花屋のことを思いだしたので、
仁王門
(
におうもん
)
から入って公園の中を横切り、
猿之助横丁
(
えんのすけよこちょう
)
と云われている
路次
(
ろじ
)
の中へ往った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この悲みはお糸が土産物を買うため
仁王門
(
におうもん
)
を過ぎて
仲店
(
なかみせ
)
へ出た時更にまた堪えがたいものとなった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
浅草の
仁王門
(
におうもん
)
の
大提灯
(
おおぢょうちん
)
みたいな、ベラ棒に巨大な、真赤にすき通った、鯨の心臓である。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
仁王門
(
におうもん
)
の前でばっさり——」
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ただし今度は
上半身
(
じょうはんしん
)
。少年はこの男に追いついて恐る恐るその顔を見上げる。彼等の向うには
仁王門
(
におうもん
)
。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人は笑いながら
伴
(
つ
)
れだって
仁王門
(
におうもん
)
から出て、区役所のほうへ折れて往き、その傍にある小さなバーへ入った。六箇ばかり
据
(
す
)
えた
食卓
(
テーブル
)
に十人ばかりの客が
飛
(
とび
)
とびに向っていた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
浅草
(
あさくさ
)
の
仁王門
(
におうもん
)
の中に
吊
(
つ
)
った、火のともらない
大提灯
(
おおじょうちん
)
。提灯は次第に上へあがり、
雑沓
(
ざっとう
)
した
仲店
(
なかみせ
)
を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消え失せない。門の前に飛びかう無数の
鳩
(
はと
)
。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
仁
常用漢字
小6
部首:⼈
4画
王
常用漢字
小1
部首:⽟
4画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“仁王”で始まる語句
仁王
仁王立
仁王様
仁王尊
仁王経
仁王丸
仁王会
仁王講
仁王法華心経