不通ふつう)” の例文
婚姻こんいんは秋山十五ヶ村をかぎりとして他所にもとめず。婦人ふじん他所にて男をもてば親族しんぞく不通ふつうしてふたゝ面会めんくわいせざるを、むかしよりのならはせとす。
遺恨ゐこんに思ひ音信不通ふつうに仕つり其上に昌次郎夫婦をかねねらひ候と相見え柏原と申す所へ夫婦ふうふ罷越まかりこし候跡より付行日ぐれをはかり兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
をつむつて、みゝおさへて、發車はつしやつのが、三ぷん、五ふん、十ぷん十五ふん——やゝ三十ぷんぎて、やがて、驛員えきいん不通ふつう通達つうたついたときは!
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
政吉 (恋々れんれんとして話をしたがる)つかぬことを伺いますが、お前さん、こっちには、何か縁故があっておいでなすったか。ここは江戸とは不通ふつう同然の山の中だが。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
店子たなこいわく、向長屋むこうながやの家主は大量なれども、我が大家おおやの如きは古今無類の不通ふつうものなりと。区長いわく、隣村の小前こまえはいずれも従順なれども、我が区内の者はとかくに心得方こころえかたよろしからず、と。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
九助儀今さら未練みれんにも遺恨ゐこんに存親類中も不通ふつうに相成加之そのうへ同人名主役申付られしより村長むらをさ權威けんゐふる私欲しよく押領あふりやう多く小前の者ども難儀なんぎ仕つるに付村中寄り合ひ又々惣内を歸役きやく致させんと内談ないだんいたせし儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)