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じやうたい
桑畑の
端の
方に
薹に
立つた
菜種の
少し
黄色く
膨れた
蕾は
聳然と
其雪から
伸び
上つて
居る。
其處らには
枯れた
蓬もぽつり/\と
白い
褥に
上體を
擡げた。
勘次は
土間へ
筵を
敷いて
他の一
枚の
蒲團を
被つてくる/\と
身を
屈めた。
彼は
足を
伸ばした
儘上體を
擡げて一
度闇い
床の
上を
見た。ぴしや/\と
落ちる
涓滴が
暫く
彼の
耳の
底を
打つた。