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三抱
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みかかえ
ふりがな文庫
“
三抱
(
みかかえ
)” の例文
背戸口
(
せどぐち
)
は、
早
(
は
)
や
充満
(
みちみち
)
た
山霧
(
やまぎり
)
で、
岫
(
しゅう
)
の雲を
吐
(
は
)
く如く、
幹
(
みき
)
の
半
(
なか
)
ばを其の霧で
蔽
(
おお
)
はれた、
三抱
(
みかかえ
)
四抱
(
よかかえ
)
の
栃
(
とち
)
の
樹
(
き
)
が、すく/\と並んで居た。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おまけに
二抱
(
ふたかかえ
)
から
三抱
(
みかかえ
)
ぐらいの天然の松林の中にあって、ろくろく日の目を見ることも出来ず、
鴉
(
からす
)
と
梟
(
ふくろう
)
の巣であった。
青い絨毯
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
勝った獲物を
二抱
(
ふたかかえ
)
も
三抱
(
みかかえ
)
も、
物置
(
ものおき
)
の
隅
(
すみ
)
にしまっておいて、
風呂
(
ふろ
)
のしたに
焚
(
た
)
かれてがっかりした記憶も自分にはある。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
上には
三抱
(
みかかえ
)
ほどの大きな松が、
若蔦
(
わかづた
)
にからまれた幹を、
斜
(
なな
)
めに
捩
(
ねじ
)
って、半分以上水の
面
(
おもて
)
へ乗り出している。鏡を
懐
(
ふところ
)
にした女は、あの岩の上からでも飛んだものだろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すぐその御手洗の
傍
(
そば
)
に、
三抱
(
みかかえ
)
ほどなる
大榎
(
おおえのき
)
の枝が茂って、
檜皮葺
(
ひわだぶき
)
の屋根を、
森々
(
しんしん
)
と暗いまで緑に包んだ、棟の
鰹木
(
かつおぎ
)
を見れば、
紛
(
まが
)
うべくもない
女神
(
じょしん
)
である。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
聞くところによるとこの
界隈
(
かいわい
)
で寂光院のばけ銀杏と云えば誰も知らぬ者はないそうだ。しかし何が
化
(
ば
)
けたって、こんなに高くはなりそうもない。
三抱
(
みかかえ
)
もあろうと云う大木だ。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
侍女五 (最も
少
(
わか
)
し。
斉
(
ひと
)
しく公子の背後に附添う。派手に
美
(
うるわ
)
しき声す)月の灘の桃色の枝珊瑚樹、
対
(
つい
)
の一株、丈八尺、
周囲
(
まわり
)
三抱
(
みかかえ
)
の分。一寸の玉三十三粒……雪の真珠、花の真珠。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここに
三抱
(
みかかえ
)
に余る山桜の遠山桜とて有名なるがござ候。その梢より根に至るまで、枝も、葉も、幹も、すべて青き色の毛布にて
蔽
(
おお
)
ひ包みて、見上ぐるばかり巨大なる象の形に
拵
(
こしら
)
へ候。
凱旋祭
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
思わず胸に縋るお雪の手を取って
扶
(
たす
)
けながら、行方を
睨
(
にら
)
むと、谷を隔てて
遥
(
はるか
)
に見えるのは、杉ともいわず、
栃
(
とち
)
ともいわず、
檜
(
ひのき
)
ともいわず、
二抱
(
ふたかかえ
)
三抱
(
みかかえ
)
に余る
大喬木
(
だいきょうぼく
)
がすくすく天をさして枝を交えた
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(この分、手にて仕方す)
周囲
(
まわり
)
三抱
(
みかかえ
)
の分にござりまして。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
抱
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“三抱”で始まる語句
三抱余