三崎みさき)” の例文
幾月いくつきかをすごうちに、てき監視みはりもだんだんうすらぎましたので、わたくし三崎みさきみなとからとおくもない、諸磯もろいそもう漁村ぎょそんほうてまいりましたが
その頃流行はやり出したばかりの麻雀マージャンを四人で打ったり、日曜日の午後などには三浦みうら三崎みさきの方面へドライヴしてはゴルフにきょうじたり、よその見る眼もむつまじい四人連れだった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今では谷中やなか三崎みさきでだいなしのうちを借りて、其処でお米が手内職などをして、どうかこうか暮しているが、お露は新三郎が死んだとのみ思っているので、毎日念仏ばかり唱えていたのであった。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
御用聞と若旦那と、肩を並べて、三崎みさき町の往來を、上野の方へ辿りました。春の陽は少し傾いて、薄寒くなりかけましたが、木立の葉の間から、櫻の花がチラホラするのも、お山近い風情です。
秋が来たぞよ、三崎みさき諸磯もろいそ段々畑だんだんばたけから百舌もずが出たで
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かく相手あいてなしに妊娠にんしんしないことはよくわかってりますので、不取敢とりあえずわたくし念力ねんりきをこめて、あの若者わかもの三崎みさきほうせることにいたしました……。
が、そのうち妊娠にんしんということが次第しだいわかってたので、夫婦ふうふよろこびはとおりでなく、三崎みさきあいだは、よく二人ふたりちておれいにまいりました。