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一顆
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いっか
ふりがな文庫
“
一顆
(
いっか
)” の例文
その最後の日、死ぬ数時間前に私が持って行ったサンキストのレモンの
一顆
(
いっか
)
を手にした彼女の喜も亦この一筋につながるものであったろう。
智恵子の半生
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
鯛
(
たい
)
は
無
(
なく
)
とも
玉味噌
(
たまみそ
)
の豆腐汁、心
協
(
あ
)
う
同志
(
どし
)
安らかに
団坐
(
まどい
)
して食う
甘
(
うま
)
さ、
或
(
あるい
)
は
山茶
(
やまちゃ
)
も
一時
(
いっとき
)
の
出花
(
でばな
)
に、長き夜の
徒然
(
つれづれ
)
を慰めて囲い
栗
(
ぐり
)
の、皮
剥
(
むい
)
てやる
一顆
(
いっか
)
のなさけ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
東堂が質に入れたのは、銅仏
一躯
(
いっく
)
と
六方印
(
ろくほういん
)
一顆
(
いっか
)
とであった。銅仏は
印度
(
インド
)
で鋳造した
薬師如来
(
やくしにょらい
)
で、
戴曼公
(
たいまんこう
)
の遺品である。六方印は六面に彫刻した
遊印
(
ゆういん
)
である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そんな話を聞きながら、私はしばらく手の上にある
一顆
(
いっか
)
の
露
(
つゆ
)
の玉に見入った。そして自分の手のひらの中に、この山間の
霊気
(
れいき
)
と日光とが
凝
(
こ
)
り固まった気がした。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
少しはしたないような気はしたが、天涯の孤客だからと自分で自分に申し訳を云った。このローマの宿の
一顆
(
いっか
)
の柿の郷土的味覚はいまだに忘れ難いものの一つである。
郷土的味覚
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
あんなに
執拗
(
しつこ
)
かった憂鬱が、そんなものの
一顆
(
いっか
)
で紛らされる——あるいは不審なことが、逆説的なほんとうであった。それにしても心というやつはなんという不可思議なやつだろう。
檸檬
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
塵
(
ちり
)
も置かず、世の
創
(
はじめ
)
の生物に似た
鰐口
(
わにぐち
)
も、その明星に影を重ねて、
一顆
(
いっか
)
の
一碧玉
(
だいへきぎょく
)
を
鏤
(
ちりば
)
めたようなのが、棟裏に凝って紫の色を
籠
(
こ
)
め、扉に
漲
(
みなぎ
)
って
朧
(
おぼろ
)
なる霞を描き、舞台に
靉靆
(
たなび
)
き、縁を
廻
(
めぐ
)
って
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
林檎
(
りんご
)
一顆
(
いっか
)
画伯描けば画伯のもの
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
一顆
(
いっか
)
の
檸檬
(
レモン
)
を買い来て
詩二つ
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
顆
漢検1級
部首:⾴
17画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥