詩二つしふたつ
一顆の檸檬を買い来て、 そを玩ぶ男あり、 電車の中にはマントの上に、 道行く時は手拭の間に、 そを見そを嗅げば、 嬉しさ心に充つ、 悲しくも友に離りて ひとり唯独り我が立つは丸善の洋書棚の前、 セザンヌはなく、レンブラントはもち去られ、 マ …