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いっしょうがい
ふりがな文庫
“
一生涯
(
いっしょうがい
)” の例文
なんでも、ひどくむずかしい暗号で、
一生涯
(
いっしょうがい
)
かかっても、どうしても、そこに書いてある意味を知ることができなかったのです。
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その静穏の日がすなわち余の
一生涯
(
いっしょうがい
)
にあって最も恐るべき危険の日であったのだと云う事を後から知った時、余は
下
(
しも
)
のような詩を作った。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はこのような病身なのですから、
一生涯
(
いっしょうがい
)
ほとんど病院暮らしをせねばならぬかもしれません。また私の生涯は長いものではありますまい。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
祖母が糸車で
一生涯
(
いっしょうがい
)
かかって紡ぎ得たであろうと思う糸の量が数え切れない機械の紡錘から短時間に一度に流れ出していた。
糸車
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
国の昔の交通の
跡
(
あと
)
を明らかにし、昔の人の
心持
(
こころもち
)
をよく理解し、またそれを
一生涯
(
いっしょうがい
)
、おぼえていることもらくなのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
「小さい時にどんな教育を受けたかという事でもう、その人の
一生涯
(
いっしょうがい
)
がきまってしまうのだからね。もっと偉い大人物を配すべきだと思うんだ。」
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
地球にあるものでいうなら、ホヤという動物は、岩の上にとりつくと、
一生涯
(
いっしょうがい
)
そこを動かない。それに反して植物のハエトリ草はさかんに動きます。
宇宙の迷子
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
恐
(
おそ
)
らく
一生涯
(
いっしょうがい
)
の落ちつく先をちらとでも見たいのだ、ばかばかしい話だが、そんなふうに言うより
外
(
ほか
)
はない。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
程経て春琴が起き出でた頃手さぐりしながら
奥
(
おく
)
の間に行きお師匠様私はめしいになりました。もう
一生涯
(
いっしょうがい
)
お顔を見ることはござりませぬと彼女の前に
額
(
ぬか
)
ずいて云った。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なさろうと、たとえどんなに僕がいじめられたろうと、僕は
一生涯
(
いっしょうがい
)
あなたを愛します、
崇拝
(
すうはい
)
します
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「それは小気味の良い匂いじゃよ。一度その匂いを嗅いだ者は、
一生涯
(
いっしょうがい
)
忘れることは出来ぬ。それは素敵もない匂いなのじゃ……おおまた聞こえて来た、聞こえて来た」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
葉子は自分がなんとかして木村にそりを合わせる努力をしたならば、
一生涯
(
いっしょうがい
)
木村と連れ添って、普通の夫婦のような生活ができないものでもないと一時思うまでになっていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そうした血統上の
痕跡
(
こんせき
)
は、何よりも
雄弁
(
ゆうべん
)
にツルゲーネフの生活(彼は
一生涯
(
いっしょうがい
)
独身で押し通しました)が物語っているのですが、文芸作品の面から言うと、ここに訳出した短編『はつ恋』に
「はつ恋」解説
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
文麻呂 (
苛々
(
いらいら
)
して)さあ、元気を出そう、元気を! 天が与えてくれたこの機会を利用しなければ、君の恋も、僕の
復讐
(
ふくしゅう
)
も、
一生涯
(
いっしょうがい
)
実現出来ないようなことにならないとも限らないんだぜ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
僕は
一生涯
(
いっしょうがい
)
この高原から下らないかもしれない。……
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
人生の愛と運命と悲哀と——あなたがたの
一生涯
(
いっしょうがい
)
かかって体験なさる内容を一つの簡単な形に煮詰めて盛り込んであるのです。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そのモリ木を大せつに
一生涯
(
いっしょうがい
)
しまって置いて、死んだら
火葬
(
かそう
)
の
薪
(
まき
)
に使うものだった、というような話もつたわっているが、それはただ一つの話かもしれない。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一生涯
(
いっしょうがい
)
の狂人はかえって出来安いが、筆を
執
(
と
)
って紙に向う
間
(
あいだ
)
だけ気違にするのは、いかに
巧者
(
こうしゃ
)
な神様でもよほど骨が折れると見えて、なかなか
拵
(
こしら
)
えて見せない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一生涯
(
いっしょうがい
)
、助け合って努めて、そうして成功しよう。お母さんだって、いつも、「兄弟仲良く」とおっしゃっているのだ。お母さんも、きっと喜んでくれるだろう。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これは芭蕉の
一生涯
(
いっしょうがい
)
の総決算でありレジュメであると同時にまたすべての人間の一生涯のたそがれにおける感慨でなければならない。それはとにかく、自分の子供の時分のことである。
思い出草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
親方は
一生涯
(
いっしょうがい
)
忘れることができなかった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
僧一 昔からの開山たちが、
一生涯
(
いっしょうがい
)
貧しくしかも
悠々
(
ゆうゆう
)
として富めるがごとき風があったのは、昔心の中にこの
踴躍歓喜
(
ゆやくかんぎ
)
の情があったからであると思います。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
さて、それから僕は
一生涯
(
いっしょうがい
)
の不動の目標を樹立して進まなければならぬのだが、これが、むずかしい問題なのだ。一体どうすればいいのか、僕には、さっぱりわからない。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「さあ
一生涯
(
いっしょうがい
)
の事を一度に聞いておいても損はないが、それよりか今ここでどうしたらいいか、その方をきめてかかる方が僕には大切らしいから、まあそれを一つ願おう」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だがあれは他人の運命を
損
(
そこの
)
うたのだからな。一人の
可憐
(
かれん
)
な女は死んだ。一人の善良な青年の心は
一生涯
(
いっしょうがい
)
破れてしまった。幾つかの家族の間には平和が失われた。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
“一生涯”の意味
《名詞》
生まれてから、または人生のある時点から死ぬまでの間。生涯。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“一生”で始まる語句
一生
一生懸命
一生奉公
一生作
一生一品
一生末生
一生用不尽
一生之間能荘厳