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へんしよく
後の
林の
稍俛首れた
竹の
外側がぐるりと
燒かれて
變色して
居たのが
彼の
目に
映じた。それと
共に
彼は
隣の
森の
中の
群集の
囂々と
騷ぐのを
耳にして
自分が
今何の
爲に
疾走して
來たかを
心づいた。
忽ち
燈の光の消えて
行くやうにあたりは全体に
薄暗く灰色に
変色して来て、満ち
来る
夕汐の上を
滑つて
行く
荷船の
帆のみが
真白く
際立つた。
若し又
惣ての
文学者を
一時に
殺戮すれば其
死屍は以て
日本海を
埋むべく其
血は以て
太平洋を
変色せしむべし。