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へうぜう
そのSH
氏がしばらくすると、
立つて
彼方の
卓の
前に
立つて、
和服姿の
東洋人らしい
憂鬱な
恥らひの
表情で、
自作の
詩を
謳ひだした。
皆が
之れに
耳傾けた。
向ふ
側ではSH
氏の
夫人らしい、ちら/\
動く
星のやうな
目の
極めて
凉しい
人が、
無邪気な
表情をしてゐるのが
目についた。
私の
脇にゐるお
転婆さんが
彼女を
讃めてゐた。
多分彼等に
取つては
楽しい一
夜であるべき
筈だつたのであらうが
唖のやうに
黙りこくつた
我々の
苦い
表情と
無愛相な
態度とが、
如何に
彼等を
失望させたかは、
想像に
余りあるものであつた。