“びやうく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
病躯60.0%
病苦40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卯平うへい患者くわんじやの一にんでさうしておしないへなやんでた。おしなはゝ懇切こんせつ介抱かいはうからかれすくはれた。かれはどうしても瀕死ひんし女房にようばうかたはら病躯びやうくはこぶことが出來できなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼はこの時、偶然な契機によつて、醜き一切に対する反感を師匠の病躯びやうくの上に洩らしたのであらうか。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
賣代うりしろなし此旅籠屋は少しの縁由ゆかりも有りけるまゝ下女に雇はれ候ふなり先頃貴方あなたの御めぐみに預るのみか取り分て下し給ひし一品はとみたる人の千金にまして忘れぬ御恩なり今夜にせまる貴方の御難儀大概たいがい御察し申たり今夜は私が何なりとお救ひ申し參らせん御安堵あれと請合うけあひながらも過さりし親の病苦びやうくや身の憂事うきこと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やつれたうれへるのをかれるにしのびなかつたからである。かれのさういふ意志いしなが月日つきひ病苦びやうくさいなまれてひがんだ女房にようばうこゝろつうずる理由わけがなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)