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病躯
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びやうく
ふりがな文庫
“
病躯
(
びやうく
)” の例文
ああ思ひきや、
西土
(
せいど
)
はるかに
征
(
ゆ
)
くべかりし身の、こゝに
病躯
(
びやうく
)
を故山にとゞめて山河の契りをはたさむとは。
奇
(
く
)
しくもあざなはれたるわが
運命
(
うんめい
)
かな。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
石原の利助の
病躯
(
びやうく
)
を助けて十手捕繩を預つて居る若い新吉にしては、それ位のあせりのあるのは無理のないことでした。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
卯平
(
うへい
)
も
患者
(
くわんじや
)
の一
人
(
にん
)
でさうしてお
品
(
しな
)
の
家
(
いへ
)
に
惱
(
なや
)
んで
居
(
ゐ
)
た。お
品
(
しな
)
の
母
(
はゝ
)
の
懇切
(
こんせつ
)
な
介抱
(
かいはう
)
から
彼
(
かれ
)
は
救
(
すく
)
はれた。
彼
(
かれ
)
はどうしても
瀕死
(
ひんし
)
の
女房
(
にようばう
)
の
傍
(
かたはら
)
に
病躯
(
びやうく
)
を
運
(
はこ
)
ぶことが
出來
(
でき
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼はこの時、偶然な契機によつて、醜き一切に対する反感を師匠の
病躯
(
びやうく
)
の上に洩らしたのであらうか。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とりわけこの三、四年、病気と闘ふ気分のめつきり衰へてきた私は、自分の
病躯
(
びやうく
)
に和やかな、触りのよい春を見つけるか、また秋を迎へるかすることができると、そのたびごとにほつとして
春の賦
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
一時中学の書記となり、自炊生活を営みし時、「
夕月
(
ゆふづき
)
に
鰺
(
あぢ
)
買ふ書記の細さかな」と
自
(
みづか
)
ら
病躯
(
びやうく
)
を
嘲
(
あざけ
)
りしことあり。失恋せる相手も見しことあれども、今は
如何
(
いか
)
になりしや知らず。
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“病躯”の意味
《名詞》
病躯(びょうく)
病気の躯。病に罹った体。
(出典:Wiktionary)
病
常用漢字
小3
部首:⽧
10画
躯
漢検準1級
部首:⾝
11画
“病”で始まる語句
病
病気
病人
病院
病氣
病臥
病葉
病床
病褥
病室