“ひわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒワ
語句割合
55.6%
乾割8.9%
乾破8.9%
干割8.9%
秘話8.9%
金雀2.2%
涸裂2.2%
譬話2.2%
鶸鳥2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹むらにからまる烏瓜からすうりをつつきに来るからす、縁側の上まで寄って来る雀、庭木の細かい枝をくぐるひわ四十雀しじゅうからの姿も目に止った。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
隙間だらけで、乾割ひわれた雨戸が閉ったままだし、夕餉ゆうげどきだというのにかしぎの煙も見えず、人の声もしなかった。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お末は苦しみに背中を大波のやうに動かしながら、はつ/\と熱い気息いきいて居た。唇はかさ/\に乾破ひわれて、頬には美しい紅みを漲らして。
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
道は、その日の午後、やっと一つの山の小道へかかったが、木々の葉はえて、風は死し、谷はあるが、水はれ、岩は干割ひわれして、したたる清水の一トしずくもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この秘話ひわをしてくれたN博士も、先々月この世を去った。今は、博士の許可を得ることなしに、ちょっぴり書きつづるわけだが、N博士の霊魂なるものがあらば、にがい顔をするかもしれない。
先ず小鳥類のうち田鴫たしぎ雲雀ひばり水鶏くいなひよ金雀ひわ椋鳥むくどりつむぎ、雀なぞは殺してから中を一日置いて三日目を食べ頃としますし、うずら山鴫やましぎ、カケスなぞは四日目を食べ頃とします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
先ず大別すれば三通りの焼き方がありまして、雀、田鴫たしぎつぐみ椋鳥むくどり雲雀ひばり水鶏くいなひよ金雀ひわ、カケス、山鴫やましぎ、山鳩、鴨、小鴨、がん、牛、羊なぞはあまり焼き過ぎない方が良いとしてあります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
白絹襟巻の紳士は、涸裂ひわれた唇に熱い珈琲コーヒーのコップを思い切って押しつけた。苦痛を通して内臓機関に浸み込んで行く芳烈な匂いは、彼の眼に青とも桃色ともつかぬ二重の蝶を幻覚させた。
巴里のキャフェ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
アレゴリー、譬話ひわというとわれわれは、まずエソープを思いだす。桃太郎、カチカチ山、兎と亀その他いわゆるおとぎ話は、たくさんアレゴリーの形式で書かれている。
一緒に公園の茂みの中にわなをかけに行っても彼のかけた係蹄わなにはきっとつぐみや鶸鳥ひわが引掛かるが、自分のにはちっともかからなかった。鰻釣うなぎつりや小海老こえび釣りでも同様であった。
重兵衛さんの一家 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)