“えにしだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エニシダ
語句割合
金雀枝38.9%
金雀花27.8%
金雀児16.7%
金糸桃5.6%
金雀5.6%
金雀兒5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、それには対流の関係で、下行する気流が起る道理だから、当然頭上の金雀枝えにしだの花弁はあたりに散らばらず、その気流なりに、裳裾の中へ落ちて行くだろう。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
身にはぼろをまとい、ベルヴィルの丘で折り取った一枝の金雀花えにしだを手にしていたが、ある古物商の店先に騎馬用の古いピストルが一つあるのに目を止めた。
金雀児えにしだ?」と彼女はそれを引き取った。私達は今度はそっちの茂みの前に移っていった。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
桜こそ咲いては居りませんでしたが金糸桃えにしだの花は家々の園で黄金のような色を見せ夢のように仄な白木蓮は艶かしい紅桃と妍を競い早出の蝶が蜜を
天草四郎の妖術 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
旦那、私には砂地すなぢと濱の香しか致しません。それは金雀えにしだ花ぢやあ御座いませんか、風で忍冬にんどうの蔓にからんだのです。色が褪めて、黄ばんできたないぢや御座いませんか。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
あれは蘇枋すはう、こつちは金雀兒えにしだ、それからその隣りはライラックと、——それに答へてくれたのは、結局、二人がかりでその花のありかを漸つと教へたので
おもかげ (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)