“ひとか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
人買30.0%
一噛20.0%
人香20.0%
一噬10.0%
一掻10.0%
人耶10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さあ、これから二人ふたりが、人買ひとかぶねせられておきしまへやられるところ、もっとさきまでいくとせますよ。さあ、いっしょにおいでなさい。」と、おじいさんは屋台やたいをかついで
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、えた動物ほど、忠勇無双むそうの兵卒の資格を具えているものはないはずである。彼等は皆あらしのように、逃げまわる鬼を追いまわした。犬はただ一噛ひとかみに鬼の若者を噛み殺した。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼のでて帰らざる恋しさにへかねたるゆふべ、宮はその机にりて思ひ、そのきぬ人香ひとかぎてもだえ、その写真に頬摩ほほずりしてあくがれ、彼おのれれて、ここに優き便たよりをだにきかせなば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
阿那あな、有難や感謝かたじけなや。此処にて逢ひしは天の恵みなり。いで一噬ひとかみに……
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
光沢つやのある、長い安寿の髪が、鋭い鎌の一掻ひとかきにさっくり切れた。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
およそ北京ほくけい山東さんとう尼姑にこことごとく逮捕して京に上せ、厳重に勘問かんもんし、ついに天下の尼姑という尼姑をとらうるに至りしが、得るあたわずしてみ、遂に後の史家をして、妖耶ようか人耶ひとかわれこれを知らず
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)