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とりつゞ
以て
取續きの
出來樣頼み申度尤も
丸々貴樣の
厄介に
懸ると
云譯には非ず是は
聊かなれども何ぞ商賣でも初めさせて下されよと後藤は
用意の金子を
列座の
方々、いづれも
豫て
御存じの
如く、
某勝手不如意にて、
既に
先年公義より
多分の
拜借いたしたれど、なか/\
其にて
取續かず、
此際家政を
改革して
勝手を
整へ
申さでは、
一家も
終に
危く
候。
與へて江戸表へ
立退せたるに其後夫婦になりて
取續き今にては
先相應に暮して居ると申事其助けたる市之丞に此ほど
廻り
逢し處我々夫婦此樣に浪人して
困窮に及ぶを
して
取續き
居たれども
或年三月
節句前金二十兩不足にて
勘定立ざれば是非なく向ふの加賀屋へ
到り
亭主に
逢て此節句前二十兩不足ゆゑ
問屋の
拂ひ
行屆ざるに付何卒節句過まで金子借用致し
度旨只管頼みければ此四郎右衞門は
情有者にて夫は