“としふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
年経54.5%
年古27.3%
年經9.1%
歳経9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この江は、水あくまで碧(あお)く、両岸には桃の樹が多く茂っている。年経(としふ)れば葉は河水に落ちて、一種の毒水を醸(かも)し、その水を旅人が呑めば甚だしく下痢を病む。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年古(としふ)りた杉の柱廊が続いた。冷たい山気が沁(し)みて来た。魔女の跨(またが)った箒(ほうき)のように、自動車は私を高い空へ運んだ。いったいどこまでゆこうとするのだろう。峠の隧道(すいどう)を出るともう半島の南である。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
傍(かたへ)に一本(ぽん)、榎(えのき)を植(う)ゆ、年經(としふ)る大樹(たいじゆ)鬱蒼(うつさう)と繁茂(しげ)りて、晝(ひる)も梟(ふくろふ)の威(ゐ)を扶(たす)けて鴉(からす)に塒(ねぐら)を貸(か)さず、夜陰(やいん)人(ひと)靜(しづ)まりて一陣(いちぢん)の風(かぜ)枝(えだ)を拂(はら)へば、愁然(しうぜん)たる聲(こゑ)ありておうおうと唸(うめ)くが如(ごと)し。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
この乱流の間に横(よこた)はりて高さ二丈に余り、その頂(いただき)は平(たひらか)に濶(ひろが)りて、寛(ゆたか)に百人を立たしむべき大磐石(だいばんじやく)、風雨に歳経(としふ)る膚(はだへ)は死灰(しかい)の色を成して、鱗(うろこ)も添はず、毛も生ひざれど、状(かたち)可恐(おそろ)しげに蹲(うづくま)りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)