年古としふ)” の例文
これは博士たちが来た時すでに飾付けてあったもので、何十年となく年古としふりているし、一体なんの鳥なのか全く分らない。鷲でもなく鷹でもなく、云ってみれば前世紀の猛鳥という感じである。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
年古としふりた杉の柱廊が続いた。冷たい山気がみて来た。魔女のまたがったほうきのように、自動車は私を高い空へ運んだ。いったいどこまでゆこうとするのだろう。峠の隧道すいどうを出るともう半島の南である。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
年古としふることは想像も及びません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)