“とうはつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
頭髪90.5%
頭髮9.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日はあかも落とさなかった。唯、一年間の頭髪とうはつが女のように伸びているので、わずかに櫛を加え、紐を以て結ばせたのみである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家来けらいは、ながたびをしたので、かおいろは、けて、頭髪とうはつは、あめや、かぜに、たびたびうたことをおもわせるように、びてみだれていました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
おう」は普通ふつう乞食こつじきひとしく、かげもなき貧民ひんみんなり。頭髮とうはつ婦人をんなのごとくながびたるをむすばず、かたよりれてかゝといたる。跣足せんそくにて行歩かうほはなはけんなり。容顏ようがん隱險いんけんび、みゝさとく、するどし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見ると、おきみの頭髮とうはつは、ギザ/\に斷ち切られてゐたのである。おきみは、隣室の鏡臺の上に載つてゐた鋏を手に取るや、ある限りの髮を根元からぶつ/\切り離してしまつたのであつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)