頭髮とうはつ)” の例文
新字:頭髪
おう」は普通ふつう乞食こつじきひとしく、かげもなき貧民ひんみんなり。頭髮とうはつ婦人をんなのごとくながびたるをむすばず、かたよりれてかゝといたる。跣足せんそくにて行歩かうほはなはけんなり。容顏ようがん隱險いんけんび、みゝさとく、するどし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見ると、おきみの頭髮とうはつは、ギザ/\に斷ち切られてゐたのである。おきみは、隣室の鏡臺の上に載つてゐた鋏を手に取るや、ある限りの髮を根元からぶつ/\切り離してしまつたのであつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)