“そこひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
内障眼28.6%
22.9%
白内障14.3%
黒内障11.4%
底翳8.6%
内瘴2.9%
内障2.9%
白障眼2.9%
至極2.9%
2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
登は「内障眼そこひの治療法だけで天下の名医といわれた人さえあるではないか」とまで云ったものだ。
暗がりに目がれたのか、空は星の上に星がかさなって、そこひなく晴れている——どこの峰にも銀の覆輪ふくりんはかからぬが、おのずから月の出の光が山のはだとおすかして、いわかけめも、路の石も
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくて、ボーイ長の負傷は、水夫らに何とはなしに、陰惨な印象を与え、白内障そこひの目における障害のように、いくらふいてもふいてもとれなかった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
死ぬ迄三千代に対して責任を負ふと云ふのは、ふ目的があるといふ迄で、つた事実には決してなれなかつた。代助は惘然もうぜんとして黒内障そこひかゝつた人の如くに自失した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
底翳そこひですね……白ぞこひつて云ふんですね。それに違ひないけれど、何とかしなけりや。」
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
お医者さんがわるいと伊藤さんにかゝると云うくらいだから、内瘴そこひが眼が明いて駈け出したりなんかするんで、何うも不思議じゃア有りませんか
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
忠「京の鴨川かもがわから来た人で、只今早稲田に居ります、早稲田の高田の馬場の下辺りで施しに針を打ちます、鍼治しんじの名人で、一本の針でいざりの腰が立ったり内障そこひの目が開きます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
田舎を旅行していると、このような旅廻りの床屋がある程度まで原因となっている眼病の流行に気がつく——白障眼そこひ焮衝きんしょうを起した眼瞼まぶた、めっかち、盲人等はその例である。
なお娘子には、「天地の至極そこひうちにあが如く君に恋ふらむ人はさねあらじ」(巻十五・三七五〇)というのもある程だから、情熱を以て強く宅守に迫って来た女性だったかも知れない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
笑ふかと見れば泣き、泣くかと見ればいかり、おのれの胸のやうにそこひも知らず黒く濁れる夕暮の空に向ひてそのかなしみと恨とを訴へ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)