内障眼そこひ)” の例文
この通り目を開いたつ切りで、本人は内障眼そこひだと言つて居ますが、何時までも瞳が動きません、動けば凝つと明後日の方を見詰めて居ます。
登は「内障眼そこひの治療法だけで天下の名医といわれた人さえあるではないか」とまで云ったものだ。
末には霞んで見えないどころではなくバッタリ内障眼そこひのようになりまして、手紙一本書く事も出来ませんから、刀の詮議も仇敵かたきの探索も心に任せず、誠に残念に心得て
文部省の属吏をめられてから、村長を勤めたことがあるというだけの履歴は、内障眼そこひで社会的の仕事から退かなければならなくなってからの、彼等一家の生活を保障するには
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
彼が信じていたことはすべて消散した。自分の欲しない真実が頑強がんきょうにつきまとってきた。今後彼は別の人間とならなければならなかった。突然内障眼そこひの手術を受けた本心の異様な苦痛に悩んだ。
父のおい内障眼そこひはかなくなりましてひたすらとらす母の手なりき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
美しい右の眼は内障眼そこひのように視力を失ってしまった。
暗黒星 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この通り目を開いたっきりで、本人は内障眼そこひだと言っていますが、いつまでも瞳が動きません、動けばっと明後日あさっての方を見詰めています。
内障眼そこひのようだが、此処で逢ったは僥倖さいわい、此奴があっては枕を高く寐ることは出来んから、此処で討果してしまえば丈助も此方こっち安々やす/\と眠られる、幸いのことだと思い、雪は益々降出し
内障眼そこひの治療だけで名をあげ、産をなした医者さえあるではないか。
「彼は私の内障眼そこひをなおしてくれた」とマリユスは言っていた。
我が内障眼そこひすべないたはり日も暗し春早き土旋風つちつむじ巻く
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
内障眼そこひのやうだね」
内障眼そこひのようだね」