白内障そこひ)” の例文
いいえ、齢をりしだいに悪くなりましたので、お医者は老齢としのせいだといいます。白内障そこひとかいう眼だそうでございます。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
かくて、ボーイ長の負傷は、水夫らに何とはなしに、陰惨な印象を与え、白内障そこひの目における障害のように、いくらふいてもふいてもとれなかった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
そしてアデイアの母は、白内障そこひの手術を受けるために帰国して、息子のロナルドと、娘のヒルダと一緒に、レーヌ公園の第四百二十七番に住んでいた。
けれども、それにはもう一側面の見方もあって、その真珠パールという言葉が、古語で白内障そこひを表わしていることが判ると、右眼の白内障そこひが因で舞台を退いた押鐘津多子が、それに髣髴ほうふつとなってくるのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「これは医者の方で白内障そこひメスという奴だ」