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ごくひん
といひかけて
笑ひ
消す
詞何としらねどお
施しとはお
情深い
事さぞかし
可哀さうのも
御座いませうと
思ふことあれば
察しも
深し
花子煙草は
嫌ひと
聞しが
傍の
煙管とりあげて
一服あわたゞしく
押やりつそれはもうさま/″\ツイ
二日計前のこと
極貧の
裏屋の
者が
難産に
苦みまして
兄の
手術に
母子とも
安全では
縮に
用ふる
紵は、
奥刕会津出羽最上の
産を用ふ。白縮はもつはら会津を用ふ。なかんづく
影紵といふもの
極品也、また米沢の
撰紵と
称するも上品也。
貴重の
尊用はさら也、
極品の
誂物は其
品に
能熟したる上手をえらび、
何方の
誰々と
指にをらるゝゆゑ、そのかずに入らばやとて
各々伎を
励む事也。かゝる
辛苦は
僅の
価の
為に
他人にする
辛苦也。