“ことし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コトシ
語句割合
今年77.3%
今歳10.6%
此年7.1%
今茲3.5%
茲年1.0%
当年0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
霧島躑躅きりしまつつじ じやう——常談じやうだん云つちやいけない。わたしなどはあまりせはしいものだから、今年ことしだけはつい何時いつにもない薄紫うすむらさきに咲いてしまつた。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つまはおみつつて、今歳ことし二十になる。なにかとふものゝ、綺緻きりやうまづ不足ふそくのないはうで、からだ発育はついく申分まをしぶんなく、どうや四釣合つりあひほとん理想りさうちかい。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
殊に此年ことしに入ってからはお母さんのき方が頻繁ひんぱんになった。絶えず機会を覗っているらしい。次のような問答は僕の度々洩れ聞くところだ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
取つて親子が活計たつきとなすも今茲ことし丁度ちやうど三年越し他に樂みもあらざれど娘もいと孝行かうかうにして呉る故それのみが此上このうへもなき身のよろこび是も今茲ことしはモウ十七婿むこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
狂ひに狂ひし頑癖もやゝ静まりて、茲年ことし人間生活の五合目の中阪にたゆたひつゝ、そゞろに旧事を追想し、帰心矢の如しと言ひたげなるこの幻境に再遊の心は、この春松島に遊びし時より衷裡ちゆうりを離れず。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
数うれば当年ことしは恰もその五十回忌に相当すると、隠居は懺愧と恐怖に顔色を変えて了った。
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)