“こせき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コセキ
語句割合
古跡26.5%
戸籍23.5%
古蹟14.7%
古昔11.8%
古関5.9%
故跡5.9%
故蹟5.9%
古迹2.9%
孤寂2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雑草の中から、のぞいてみると、下は、関の古跡こせきの裏街道、峨々ががたる岩の根に添って、海のような竹林がつづいている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何か名句を一ツ書いて戴けませんかと、戸籍こせきしらべの折、頼まれたのだが、そのままになって、その巡査氏も何時いつからかもう変ってしまった。
落合町山川記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
この恨みは初め一抹いちまつの雲のごとくわが心をかすめて、瑞西スイスの山色をも見せず、伊太利イタリア古蹟こせきにも心をとどめさせず、中ごろは世をいとい、身をはかなみて
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
安那やすな郡に属す。(古昔こせき穴国あなのくに穴済あなのわたり穴海あなのうみ和武尊やまとだけのみこと悪神を殺戮するの地なり。日本紀景行紀によるに此辺みな海也。)
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
今宵は過ぐる夜のように、月を踏んで古関こせきのあとをたずねようとする風流人もなく、風流にしても、もう少し寒過ぎる時候になっているのですから、夜の静かになることは一層早いものがありました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
北国は申すに及ばず、東は関東の各地から、西は中国四国の方々の田舎いなかに、この尼が巡遊したと伝うる故跡こせきは数多く、たいていは樹をえ神を祭り時としてはつかを築き石を建てている。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
瞰上みあぐれば我が頭の上には、高さ幾丈の絶壁が峭立きったっていて、そこはの虎ヶ窟なることを思いあたった。若い男と女とが社会のうるさい圧迫をのがれて、自由なる恋をたのしんだ故蹟こせきである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
余は高いこの影を眺めて、いつの間にか万里の長城に似た古迹こせきそばでも通るんだろうぐらいの空想をたくましゅうしていた。すると誰だかこの城壁の上を駆けて行くものがある。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あゝわれらみづか孤寂こせきなる発光体なり!
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)