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きりつけ
附て道中を
成れましと
噺しながらに行所を
此所の
松陰より
忽然と出たる畔倉重四郎ものをも云ず
馬の
上なる飛脚の
片足をばつさりと
切付たり飛脚はアツと馬より
轉げ落るを
致し
切付たれば其者
迯行しが跡に
落せし物あるにより
拾上て見れば百兩の金を
紙に
包水引を掛け上書に奉納と
書記し有りし事を承まはり候と申立ければ夫にて
宜と女房は
其儘歸されたり偖大岡殿
智略を
隙さず
咽喉へ
突貫さんとしけれども
手先狂ひて
頬より口まで
斬付たり源八
悶ながら顏を見ればお
高なりしにぞ
南無三と
蹴倒して
其所を
飛出し
連の
佐七と
倶に
後を
大岡殿聞かれ何樣
道理なる申分なり然ど今一人に
斬付たりと
有は是も敵なりやと
尋ねらるゝに
瀬川否其者は
源八と申て
同郷の者にて
私しへ
不義を申掛候
而已ならず
私し親どもへも
甚だ
迷惑を