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いつぽ
何か
艦長の
命を
聽かんとて、
姿勢を
正して
立てる三四
名の
水兵は、
先刻より
熱心に
武村兵曹の
顏を
見詰めて
居つたが、
其中の
一名、
一歩進み
出でゝ、
恭しく
虎髯大尉と
艦長とに
向ひ、
意味あり
氣に
それは
何ぞのお
間違ひなるべし
私お
客樣にお
懇親はなし
池の
端よりお
供せしに
相違は
無けれど
車代賜るより
外に
御用ありとは
覺えず
其譯仰せられて
車代の
頂戴お
願ひ
下されたしと
一歩も
動かんとせぬ
芳之助を
其間唯一歩だ。なるほど
黎明と