-
トップ
>
-
あふむけ
グート
息をも
継かずに
飲むと、ゴロ/\/\と
喉へ
詰まつたからウーム、バターリと
仰向さまに
顛倒つて
了ふ。
「おゝ
重たかつた」と
少し
汗ばんだ
額を
手拭でふきながら
洋傘を
仰向に
戸口へ
置いて、
洋傘の
中へ
其の
風呂敷包を
置いた。
南の
女房はおつたを
見て
立つた。
御米は
宗助のする
凡てを
寐ながら
見たり
聞いたりしてゐた。さうして
布團の
上に
仰向になつた
儘、
此二つの
小さい
位牌を、
眼に
見えない
因果の
糸を
長く
引いて
互に
結び
付けた。