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魅惑
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みわく
ふりがな文庫
“
魅惑
(
みわく
)” の例文
蠱惑
(
こわく
)
に充ちた美しいお照の肉体の游泳姿態を見せられて、いずれ物言わぬ眼に
陶然
(
とうぜん
)
たる
魅惑
(
みわく
)
の色を
漂
(
ただよ
)
わしていたものである。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
神話は計画的な大量の嘘言ですらある。要するにそれは人心を
魅惑
(
みわく
)
し
憤激
(
ふんげき
)
せしめるような、美しい言葉や強いスローガンをもって語られるのである。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
ひと頃は、お米のあこがれでもあった国、これが弦之丞というものを、知らない前のお米であったら、そのささやきに一も二もなく
魅惑
(
みわく
)
されているであろう。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど、
實際
(
じつさい
)
はそれこそ
麻雀
(
マージヤン
)
が
人達
(
ひとたち
)
を
魅惑
(
みわく
)
する
面白
(
おもしろ
)
さなので、
誰
(
だれ
)
しも
少
(
すこ
)
しそれに
親
(
した
)
しんでくるといつとなくその
日
(
ひ
)
その
時
(
とき
)
の
縁起
(
えんぎ
)
まで
擔
(
かつ
)
ぐやうになるのも
愉快
(
ゆくわい
)
である。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
寳石の威嚴や
魅惑
(
みわく
)
に馴れない平次が、思はずたじろいだのも無理はありません。歡喜天の異樣な
象頭
(
ざうとう
)
の
額
(
ひたひ
)
に輝やく夜光の珠が、火の如く燃えて、
魅入
(
みい
)
るやうに平次を睨むのです。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
そして、このとき今まで
彫刻的
(
ちょうこくてき
)
に見えた小初の肉体から
妖艶
(
ようえん
)
な
雰囲気
(
ふんいき
)
が
月暈
(
つきがさ
)
のようにほのめき出て、四囲の自然の風端の中に一
箇
(
こ
)
不自然な人工的の生々しい
魅惑
(
みわく
)
を
掻
(
か
)
き開かせた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
魅惑
(
みわく
)
のエースと認められている事だし、お出入りのお茶屋が又チャンチャン一流の形容詞沢山で……崑崙茶の味を知らなければ共にお茶を談ずるに足らず……とか何とか云って
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
失敗したことに自分では氣がつかないその失敗を繰り返してゐるのを見るのは——彼女の誇りと自己滿足とが彼女の
魅惑
(
みわく
)
しようとしてゐるものを次第に遠くへ反撥してゐるのに
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それに、先方には
良人
(
おっと
)
もいるし、身分のある人だから、訪ねて行ったところで、たいして間違いのあるはずはない。もうそんな
魅惑
(
みわく
)
を、夫人はメリコフの上に残していっていた。美しい女だ。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
場合が場合なので、彼も今夜は彼女の
魅惑
(
みわく
)
には
克
(
か
)
つ由もなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
地底には無限の
魅惑
(
みわく
)
ありというが、その魅惑がよもやこのさんざん
検
(
しら
)
べあげたキャバレーの地底にあろうとは思いもつかなかったことであった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この風景に、彼等は最も熱烈な愛着心を持つて執着してゐた。私にはその心持が分つてゐたし、またその心持の強さと眞實さに共鳴することが出來た。私は田舍が持つ
魅惑
(
みわく
)
を看取した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
お靜の
着換
(
きがへ
)
には相違ありませんが、お樂が着ると、銘仙も木綿も
粹
(
いき
)
になるのでした。洗ひ髮に、赤い/\唇、猪口に
觸
(
さは
)
ると其儘酒も紅になりさうな、それは何といふ官能的な
魅惑
(
みわく
)
でせう。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其の夜、下宿にかえった僕が、
悔恨
(
かいこん
)
と
魅惑
(
みわく
)
との間に
懊悩
(
おうのう
)
の一夜をあかしたことは言うまでもない。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
溶け入るやうな白い頬の
魅惑
(
みわく
)
、おど/\した大きい眼、丸ぽちやで、笑くぼが淀んで、阿里道子のえり子のやうな無邪氣な
口調
(
くてう
)
など、フエミニストの八五郎を、有頂天にさせるには充分でした。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此の種の
魅惑
(
みわく
)
に満ちた事件が発散する香気のようなものに過ぎないのでしょう。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし僕は相変らずこの三階にのぼることを
止
(
や
)
めなかった、というのはこの
黴
(
かび
)
くさい陰気な室が大変気に入ってしまったからである。なんとなく秘密でも隠されているような
魅惑
(
みわく
)
が感ぜられた。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“魅惑”の意味
《名詞》
魅 惑(みわく)
人の心を引き付け迷わせること。
《動詞》
人の心を引き付け迷わせる。
(出典:Wiktionary)
魅
常用漢字
中学
部首:⿁
15画
惑
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
“魅惑”で始まる語句
魅惑的