“首環(くびわ)” の例文
コゼットは白琥珀(こはく)の裳衣の上にバンシュ紗(しゃ)の長衣をまとい、イギリス刺繍(ししゅう)のヴェール、みごとな真珠の首環(くびわ)、橙花(オレンジ)の帽をつけていた。
その頃月が瀬には、俥(くるま)に狗(いぬ)の先曳(さきびき)がついて、阪路(さかみち)にかゝると襷(たすき)に首環(くびわ)をかけた狗が、汗みどろになつてせつせと俥の先を曳いたものだ。
月子はなつかしそうに、大猿の次郎坊の首のあたりをなでましたが、ふと気がついたのは、次郎坊の首に見たこともないうつくしい首環(くびわ)がはめてあることでした。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
鹿毛(しかげ)は少ししりごみしたがこのときしゃもじがその首環(くびわ)を引いて赤犬の鼻に鼻をつきあてた、こうなると鹿毛もだまっていない、疾風(しっぷう)のごとく赤犬にたちかかった
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「おいで、おいで。」と手招きすれば、先より気色を窺(うかが)いたる、(じゃむこう)衝(つ)と来たる。頭(こうべ)を撫で、かの紙片を首環(くびわ)に結附(ゆいつ)け、指にてぐいと押込むとたんに、後架(かわや)の戸ぱたりと開く。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木鹿大王は白象に騎(の)ってきた。象の頸(えり)には金鈴をかけ七宝(しっぽう)の鞍をすえている。また身には銀襴(ぎんらん)の戦袈裟(いくさげさ)をかけ、金珠の首環(くびわ)、黄金の足環(あしわ)、腰には瓔珞(ようらく)を垂れて、大剣二振(ふたふ)りを佩(は)いていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二年生の手塚という医者の子が鹿毛(しかげ)のポインターをしっかりとおさえていた、するとそれと向きあって三年の細井という学生は大きな赤毛のブルドッグの首環(くびわ)をつかんでいた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
大(おおい)なる顔を、縁側に擡(もた)げて座敷を窺(うかが)い、飜然(ひらり)と飛上りて駈来(かけきた)り、お丹の膝に摺(すり)寄れば、髻(もとどり)を絡巻(からま)ける車夫の手を、お丹右手(めて)にて支えながら、左手(ゆんで)を働かして、(じゃむこう)の首環(くびわ)を探り
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
両端に紅宝玉をつけた紅玉(ルビー)の首環(くびわ)が広げられてるかのようだった。
此(こ)の首環(くびわ)へ戀歌(こひうた)を結(むす)んで褄(つま)を引(ひ)くと云(い)ふ運(はこ)び。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)