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隕
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おと
ふりがな文庫
“
隕
(
おと
)” の例文
吉田は刺客に立ち向つて、肩先を深く切られて、
創
(
きず
)
のために命を
隕
(
おと
)
したが、横井は刺客の袖の下を
潜
(
くゞ
)
つて、都筑と共に其場を逃げた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「いいかね、静かにしているんだ。若し騒立てて家へ逃帰ったりすれば、貴女のお母さんは生命を
隕
(
おと
)
すことになるんだよ。解ったかね」
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
ベルナルドオの
痍
(
きず
)
は命を
隕
(
おと
)
すに及ばざりしかば、私は其治不治生不生の君が身の上なるべきをおもひて、
須臾
(
しゆゆ
)
もベルナルドオの側を離れ候はざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と
荒
(
あら
)
らかに
言棄
(
いいす
)
てて、疾風土を
捲
(
ま
)
いて起ると覚しく、恐る恐る
首
(
こうべ
)
を
擡
(
もた
)
げあぐれば、蝦蟇法師は身を以て
隕
(
おと
)
すが如く
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
き、
靄
(
もや
)
に隠れて
失
(
う
)
せたりけり。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
岩石に骨を砕かれて即座に命を
隕
(
おと
)
したか、
或
(
あるい
)
は案外の軽傷で無事に生きているか、
先
(
ま
)
ず
其
(
その
)
安否を
確
(
たしか
)
めねばならぬ。いかに悪人にもせよ、
此
(
こ
)
のまま見殺しにするという法はあるまい。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
六日に至って
咳嗽
(
がいそう
)
甚しく、発熱して
就蓐
(
じゅじょく
)
し、
終
(
つい
)
に
加答児
(
カタル
)
性肺炎のために命を
隕
(
おと
)
した。嗣子終吉さんは今の
下渋谷
(
しもしぶや
)
の家に移った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
成斎は
卒中
(
そっちゅう
)
で死んだ。正弘の老中たりし時、成斎は
用人格
(
ようにんかく
)
に
擢
(
ぬきん
)
でられ、公用人
服部
(
はっとり
)
九十郎と名を
斉
(
ひとし
)
うしていたが、
二人
(
ににん
)
皆同病によって命を
隕
(
おと
)
した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
致仕した
後
(
のち
)
に、力を述作に
肆
(
ほしいまま
)
にしようと期していたのに、不幸にして
疫癘
(
えきれい
)
のために
命
(
めい
)
を
隕
(
おと
)
し、かつて内に蓄うる所のものが、遂に
外
(
ほか
)
に
顕
(
あらわ
)
るるに及ばずして
已
(
や
)
んだのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
小泉がよろめく所を、右の
脇腹
(
わきはら
)
へ
突
(
つき
)
を一本食はせた。東組与力小泉
淵次郎
(
えんじらう
)
は十八歳を
一期
(
いちご
)
として、陰謀第一の犠牲として
命
(
いのち
)
を
隕
(
おと
)
した。花のやうな
許嫁
(
いひなづけ
)
の妻があつたさうである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
隕
漢検1級
部首:⾩
13画
“隕”を含む語句
隕石
隕星
隕墜
隕石落下