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阿父
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おとう
ふりがな文庫
“
阿父
(
おとう
)” の例文
後で叱るなどとは父か
所天
(
おっと
)
で無くては出来ぬ事だ、余「其の人は誰ですか。私の叔父ですか」秀子「イイエ、
阿父
(
おとう
)
様では有りません」
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「
阿父
(
おとう
)
さん、これ
拗
(
ちぎ
)
り立ての
桜
(
さくら
)
ん
実
(
ぼ
)
なのよ。埃や毛虫の卵がくつ着いててもいけないから、一粒づつこの水で洗つて召しあがれよ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
岡崎御坊へ
招
(
せう
)
ずる事が出来たら結構だと云ふので、呉服屋夫婦が熱心に
懇望
(
こんまう
)
した所から、
朗然
(
らうねん
)
と云ふ
貢
(
みつぐ
)
さんの
阿父
(
おとう
)
さんが、
入寺
(
にふじ
)
して来る
様
(
やう
)
に成つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「やっと芝居が無事にすんだね。おれはお前の
阿父
(
おとう
)
さんに、毎晩お前の夢を見ると云う、小説じみた嘘をつきながら、何度
冷々
(
ひやひや
)
したかわからないぜ。」
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「繁ひとりがいっているんじゃないよ、
阿父
(
おとう
)
さん——」と松は何やらにやりと笑いを浮べながら父親へ耳打ちした。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
「
阿父
(
おとう
)
様、この瓶、みょうな瓶なんですよ、ちょうど生きているように、幾度投げてもコロコロと——」
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
「それでも……さうですな、さう言へばさうですけれど、……
阿父
(
おとう
)
さんの方で會ひたかつたでせう。」
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
O君の
阿父
(
おとう
)
さんは近所に住んでいて、昔からおてつの家とは
懇意
(
こんい
)
にしていた。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「何ですか、お国では
阿父
(
おとう
)
さんも
阿母
(
おかあ
)
さんもお変りは有りませんか?」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
阿父
(
おとう
)
さんは小田原の士族であった。まだ小さな時分に、両親は北村君を祖父母の手に託して置いて、東京に出た。北村君は十一の年までは小田原にいて、非常に厳格な祖父の教育の下に、成長した。
北村透谷の短き一生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
阿父
(
おとう
)
さまが御自分で持っていらしったのよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『阿母さん、
昨日
(
きのふ
)
校長さんが君ん
家
(
とこ
)
の
阿父
(
おとう
)
さんは京の
街
(
まち
)
で西洋の
薬
(
くすり
)
や酒を売る店を出すんだつて、本当かて聞きましたよ。本当に
其様
(
そんな
)
店を出すの。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
令嬢といふのは、
阿父
(
おとう
)
さんそつくりの顔をした、
基督降誕祭
(
クリスマス
)
の前夜、サンタ・クロオスの袋から転がり出したやうな罪のない罪のない女の子なのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
久米は今、彼の幼年時代に自殺した
阿父
(
おとう
)
さんの事を、短篇にして書いてゐると云つた。小説はこれが処女作同様だから、見当がつかなくて困るとも云つた。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、
阿父
(
おとう
)
さんが晃兄さんを
切諌
(
せつかん
)
なさる時の
恐
(
こは
)
い顔が目に
浮
(
うか
)
んだので、此の縄を
切
(
き
)
つては成らぬと気が附いた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「そんなに怖い目して見るのは厭!」娘は
嬌
(
あま
)
えたやうに
頭
(
かぶり
)
をふつた。「ねえ、
阿母
(
おつか
)
さん、
阿母
(
おつか
)
さんも結婚
前
(
ぜん
)
に
宅
(
うち
)
の
阿父
(
おとう
)
さんと一緒に温室に入つた事があつて。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿父
(
おとう
)
さまは
平素
(
ふだん
)
言つてらつしやらあ。子供には背の高いのと低いのと、お悧巧なのと意地悪なのとがあるばかしだつて。
下様
(
しもざま
)
の子供だなんて、そんなのがあるもんかい。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『僕達の着物も、
母
(
かあ
)
さんのも、
阿父
(
おとう
)
さんの物も。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
半月氏の兄といふのは、洋画家湯浅一郎氏の
阿父
(
おとう
)
さん治郎氏のことだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
阿父
(
おとう
)
さん、斯う云ふ人が来ました。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「
阿父
(
おとう
)
さんてば、何だつて花には
香気
(
にほひ
)
があるの。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿父
(
おとう
)
さん、何だつて花には
香気
(
にほひ
)
があるの。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
父
常用漢字
小2
部首:⽗
4画
“阿父”で始まる語句
阿父様
阿父樣