トップ
>
釣合
>
つりあい
ふりがな文庫
“
釣合
(
つりあい
)” の例文
このところはことさらにも九字くらいにする必要
有之
(
これあり
)
、もし七字句などをもって止めたらんには上の十字句に対して
釣合
(
つりあい
)
取れ
不申
(
もうさず
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
家庭と家庭が出ず入らずの貧乏ってことも
釣合
(
つりあい
)
が取れる。縁談は英語でマッチだろう。要するにマッチだ。マッチ即ち釣合だ
ロマンスと縁談
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私は兎の
係蹄
(
けいてい
)
の仕掛けてあるほとり、大きな石の上に三脚を立てて、片足は折敷いて、危うき姿勢に
釣合
(
つりあい
)
をとりながら、ここの写生を試みた。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
しかるに台所の道具ばかりは一から十まで天保時代でそれで西洋料理は手数がかかるなんぞというのは随分
釣合
(
つりあい
)
が取れない。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
四本の
歩脚
(
ほきゃく
)
は、これがまた全く
釣合
(
つりあい
)
というものを無視した細いもので、
妻楊子
(
つまようじ
)
を両側に四本ずつさしたような始末である。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
君の
熔金
(
ゆ
)
の廻りがどんなところで足る足らぬが出来るのも同じことである。万一
異
(
い
)
なところから木理がハネて、
釣合
(
つりあい
)
を失えば、全体が失敗になる。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「これなれば、夫人を恥かしがらせないで済むだろう。いや夫人の服装と丁度
釣合
(
つりあい
)
が取れてさえいるかも知れない」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だから早く顋髯を生やして上下の
釣合
(
つりあい
)
を取るようにすれば、顔の
居坐
(
いすわ
)
りがよくなって動かなくなりますと答えた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幕府で新小判を
鋳造
(
ちゅうぞう
)
し、その品質を落としたのは、外国貨幣と
釣合
(
つりあい
)
を取るための応急手段であったが、それがかえって財界混乱の結果を招いたとも言える。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「これは旦那からのお礼です。もっとあげたいんだけれど、何分、年上のきよが以前からいるんでその
釣合
(
つりあい
)
もあってそうもならないんですから
悪
(
あ
)
しからず」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「私は、失礼いたします。こんな下手くその芝居は、ごめんです。ポローニヤスの花嫁には、海坊主の花聟でなければ
釣合
(
つりあい
)
がとれません。では、おさきに。」
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
倉持とは
釣合
(
つりあい
)
の取れないほどの豪家であり、高利貸としてあまねく名前の通っていることを話して聞かせた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
身体の
釣合
(
つりあい
)
がやぶれた。(あぶない!)と口の中でさけんだとき、僕の腰は何ものかによってしっかり抱きとめられていた。いうまでもなく、僕を抱きとめたのはタクマ少年であった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
況
(
ま
)
して流行の縞模様など考えて見たこともない程の
不風流
(
ぶふうりゅう
)
なれども、何か私に得意があるかと云えば、
刀剣
(
とうけん
)
の
拵
(
こしら
)
えとなれば、
是
(
こ
)
れは
善
(
よ
)
く出来たとか、小道具の
作柄
(
さくがら
)
釣合
(
つりあい
)
が
如何
(
どう
)
とか云う
考
(
かんがえ
)
はある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
物理学の方では、
釣合
(
つりあい
)
の安定、不安定ということをいう。釣合の位置から少し動かした場合に、
旧
(
もと
)
の位置に戻るような偶力が出て来る場合が、安定なのである。
立春の卵
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
岨道
(
そばみち
)
を行くべきものとも思われないその姿が、花を
抱
(
かか
)
えて岩の
傍
(
そば
)
にぬっと現われると、一種芝居にでも有りそうな感じを病人に与えるくらい
釣合
(
つりあい
)
がおかしかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
身代
(
しんだい
)
の
釣合
(
つりあい
)
滅茶苦茶
(
めちゃくちゃ
)
にする男も世に多いわ、おまえの、イヤ、あなたの
迷
(
まよい
)
も
矢張
(
やっぱり
)
人情、そこであなたの
合点
(
がてん
)
の
行様
(
ゆくよう
)
、年の功という
眼鏡
(
めがね
)
をかけてよく/\
曲者
(
くせもの
)
の恋の正体を見届た所を話しまして
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかしその時大原君の夫人がお代さんではどうもチト
釣合
(
つりあい
)
が悪いアハハ
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
釣
常用漢字
中学
部首:⾦
11画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“釣合”で始まる語句
釣合い