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邇
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ちか
ふりがな文庫
“
邇
(
ちか
)” の例文
集中五章、感興の来由するところ相
邇
(
ちか
)
きをたづねて仮にわかてるのみ。「秋風のこころよさに」は明治四十一年秋の紀念なり。
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渡る日の影も隠ろひ、照る月の光も見えず、昼は昼の威を示し、夜は夜の威を示す、富嶽よ汝こそ不朽不死に
邇
(
ちか
)
きものか。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
さてはとその
邇
(
ちか
)
くを
隈無
(
くまな
)
く
掻起
(
かきおこ
)
しけれど、他に見当るものは無くて、倉前と
覚
(
おぼし
)
き
辺
(
あたり
)
より始めて
焦壊
(
こげくづ
)
れたる人骨を
掘出
(
ほりいだ
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
猶
逗
(
とど
)
まりて
三八
いたはり給へと、
実
(
まこと
)
ある詞を便りにて
日比
(
ひごろ
)
経
(
ふ
)
るままに、
三九
物みな
平生
(
つね
)
に
邇
(
ちか
)
くぞなりにける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
邇
(
ちか
)
く水陸を
画
(
かぎ
)
れる一帯の連山中に
崛起
(
くっき
)
せる、
御神楽嶽飯豊山
(
おかぐらがたけいいとよさん
)
の腰を
十重二十重
(
とえはたえ
)
に
縈
(
めぐ
)
れる
灰汁
(
あく
)
のごとき
靄
(
もや
)
は、
揺曳
(
ようえい
)
して
巓
(
いただき
)
に
騰
(
のぼ
)
り、
見
(
み
)
る見る天上に
蔓
(
はびこ
)
りて、怪物などの今や時を得んずるにはあらざるかと
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
日本人の視点は
邇
(
ちか
)
きに向つて照準されねばならない。
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ソクラテスも霊魂不朽を説かざれば、一個の功利論家を出る能はざるなり、孔子も道は
邇
(
ちか
)
きにありと説かざれば、一個の藪医者たるに過ぎざりしなり。
内部生命論
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
貫一は
寧
(
むし
)
ろかく疑ふをば、事の彼の真意に出でしを疑はんより
邇
(
ちか
)
かるべしと信じたりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
粋は仁に
邇
(
ちか
)
し、即ち魔境に他を
慈
(
いつく
)
しむ者。粋は義に近し、粋は信に邇し、仮偽界に信義を守る者。
乃
(
すなは
)
ち迷へる内に迷はぬを重んじ、不徳界に君子たる可きことを以て粋道の極意とはするならし。
粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
やや有りて彼は
徐
(
しづか
)
に立ち上りけるが、こ
回
(
たび
)
は更に
邇
(
ちか
)
きを眺めんとて双眼鏡を取り直してけり。
彼方此方
(
あなたこなた
)
に差向くる筒の
当所
(
あてど
)
も無かりければ、
偶
(
たまた
)
ま
唐楪葉
(
からゆづりは
)
のいと近きが
鏡面
(
レンズ
)
に
入
(
い
)
り
来
(
き
)
て一面に
蔓
(
はびこ
)
りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
邇
漢検1級
部首:⾡
18画
“邇”を含む語句
和邇
丸邇坂
丸邇臣口子
遠邇
宇比地邇
妹須比智邇
邇言
蘇邇
久邇宮
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多邇具久
邇摩
丸邇
迦邇米雷
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麻用賀岐許邇加岐多礼
石見国邇摩郡
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