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ばんきん
ふりがな文庫
“
輓近
(
ばんきん
)” の例文
仄聞
(
そくぶん
)
するところによれば、クロオデル大使はどう云ふ
訣
(
わけ
)
か、西洋
輓近
(
ばんきん
)
の芸術に対する日本人の鑑賞力に疑惑を抱いてゐるさうである。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然らば、この
輓近
(
ばんきん
)
、「探偵小説」流行の現象は、一体何ういう風に解釈すべきなのであろうか。そういう点から問題を考えて見よう。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
随って
輓近
(
ばんきん
)
の如く驚くべき国民的大活動を生じ、その結果として新日本の文明、即ち世界の大問題たる東西両文明の統一を得たのである。
日本の文明
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
輓近
(
ばんきん
)
に至って、単に認識論的となり、更に実用主義的ともなった。哲学は哲学自身の問題を失ったかと思われるのである。
デカルト哲学について
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
輓近
(
ばんきん
)
派が確然首をもたげて来たので、その間に挟まれて、右にも左にも出られなくなつたやうな作者であらうと思ふ。
ペチヨリンとゲザ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
恰も化翁と境を争うは是れぞ学者の本領なりと深く信じて之を疑わず、
殊
(
こと
)
に我日本国人の性質を見るに、西洋文明の新事を知りしは
輓近
(
ばんきん
)
のことなれども
人生の楽事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
筆を取っては「英文和訳の秘伝」や「和文英訳の秘伝」の外に能がない。しかし
輓近
(
ばんきん
)
大に感ずるところがあった。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もっともこれは圏外の競争の意味である。そうして、日本の作物が
輓近
(
ばんきん
)
四五年間に大変進歩したのは、全くこの圏外の競争心の結果ではなかろうかと思われる。
文壇の趨勢
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一体牛肉を食うということは昔は無かったので、江戸でこそ
輓近
(
ばんきん
)
西洋通の人は多少食ってもいたが、京都ではまだ四ツ足だといって汚らわしいものとしていた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
しからずんば、いたずらに筆を
援
(
と
)
りて賛美の語を
摛
(
の
)
べ、もって責めを
塞
(
ふさ
)
ぐ。
輓近
(
ばんきん
)
の文士往々にしてしかり。これ
直諛
(
ちょくゆ
)
なるのみ。余のはなはだ取らざるところなり。
将来の日本:03 再版の序
(新字新仮名)
/
中江兆民
、
中江篤介
(著)
しからずんば、いたずらに筆を
援
(
と
)
りて賛美の語を
摛
(
の
)
べ、もって責めを
塞
(
ふさ
)
ぐ。
輓近
(
ばんきん
)
の文士往々にしてしかり。これ
直諛
(
ちょくゆ
)
なるのみ。余のはなはだ取らざるところなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
輓近
(
ばんきん
)
の数学の種々な方面の異常な進歩はむしろいろいろな新しいこの方面の応用を暗示するようである。
比較言語学における統計的研究法の可能性について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
輓近
(
ばんきん
)
日本帝国に於きましては実子殺しとか若妻殺しとかその他色々賑やかな文化的事件があります。
現実主義者
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
即ち
崎陽
(
きよう
)
において、小林に贈るの書中にも、
仮令
(
たとい
)
国土を
異
(
こと
)
にするも、共に国のため、道のために尽し、
輓近
(
ばんきん
)
東洋に、自由の新境域を
勃興
(
ぼっこう
)
せんと、
暗
(
あん
)
に永別の書を贈りし
所以
(
ゆえん
)
なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
デンマルク人ラスムッセンの『
極北の人民
(
ゼ・ピープル・オヴ・ゼ・ポラー・ノース
)
』を読むに、
輓近
(
ばんきん
)
エスキモ人がキリスト教に化する事多きより、一代前の事は全く虚誕のごとく聞えるが、遺老に就いて種々調べると
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
輓近
(
ばんきん
)
自家凝集素の研究が進んで、ある程度まではそういうことも出来そうに考えられるけれどそれはもっともっと将来に属することである。しかも平岡は口を噤んで血痕の説明をしない。
呪われの家
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
輓近
(
ばんきん
)
一部の日本人によって起されたところの自然主義の運動なるものは、旧道徳、旧思想、旧習慣のすべてに対して反抗を試みたと全く同じ理由に於て、この国家という既定の権力に対しても
性急な思想
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
心献
(
しんこん
)
に、
輓近
(
ばんきん
)
の美俗を尊重するつもりはないのだけれど、こう物価が鰻のぼりにのぼってきては、思う存分飲む訳にはゆかないからである。ほんとうに、これで参ったというほど頂戴してみたい。
酒渇記
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
これ
輓近
(
ばんきん
)
各国の識者間に世界平和論が盛んに唱えられ、
漸次
(
ぜんじ
)
勢力を得つつあるゆえんである。
而
(
しか
)
してまた我輩が世界平和の曙光を確認するゆえんである。
世界平和の趨勢
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
日本も
輓近
(
ばんきん
)
この方面が長足の進歩を遂げました。舶来品に劣らないものが出来ます。もし御入用なら同窓の誼みをもって何本でも格安にお引き受け致します
母校復興
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ただ私の御注意申し上げたいのは
輓近
(
ばんきん
)
科学上の発見と、科学の進歩に伴って起る周密公平の観察のために道徳界における吾々の理想が昔に比べると低くなった
文芸と道徳
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
輓近
(
ばんきん
)
世の改革も、もしわが輩の主として始めしことにあらざれば暗にこれを助けなしたるものなり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ニュートンの考えたような、現象に無関係な「絶対的の時」はマッハによって批評されたのみならず、
輓近
(
ばんきん
)
相対性原理の研究と共にさらに多くの変更を余儀なくされた。
時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
決してゴシツク式の怪談のやうに、
無暗
(
むやみ
)
に血だらけな幽霊が出たり
骸骨
(
がいこつ
)
が
踊
(
をど
)
りを踊つたりしない。殊に
輓近
(
ばんきん
)
の心霊学の進歩は、小説の中の幽霊に驚くべき変化を与へたやうです。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
よし
輓近
(
ばんきん
)
の心理学者の唱うるごとく、この二つのものもまた普通の対照と同じく同類連想の部に属すべきものと判ずるにしたところで、かく
掌
(
てのひら
)
を
翻
(
ひるが
)
えすと一般に
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
加之
(
しかのみならず
)
先生の識見、直ちに本来の性情より出で、
夙
(
つと
)
に泰西
輓近
(
ばんきん
)
の思想を道破せるもの
勘
(
すくな
)
からず。其の邪を罵り、俗を
嗤
(
わら
)
ふや、一片氷雪の気天外より来り、我等の
眉宇
(
びう
)
を
撲
(
う
)
たんとするの概あり。
「鏡花全集」目録開口
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
またニュートンの力学の基礎は
輓近
(
ばんきん
)
相対原理の発展につれてぐらついて来たには相違ない。しかしこの原理の研究が
何程
(
どれほど
)
進んでも、ニュートンの力学が廃滅に帰するという訳ではあるまい。
方則について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
輓近
(
ばんきん
)
外国の交際始まりしより、西洋の説ようやく世上に行なわれ、洋学を教うる者あり、洋書を訳する者あり、天下の人心さらに方向を変じて、これがため政府をも改め、諸藩をも廃して
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
夏になったら山の中へ
籠
(
こも
)
って当分霞を
食
(
くら
)
えのとくだらぬ注文を連発するようになったのは、西洋から神国へ伝染しした
輓近
(
ばんきん
)
の病気で、やはりペスト、肺病、神経衰弱の一族と心得ていいくらいだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“輓近”の意味
《名詞・形容動詞》
最近。ちかごろ。
(出典:Wiktionary)
輓
漢検1級
部首:⾞
14画
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
“輓”で始まる語句
輓
輓回
輓歌
輓詩
輓馬
輓子
輓今
輓牛