“ばんきん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
輓近84.8%
万鈞6.1%
万金3.0%
晩近3.0%
輓今3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然らば、この輓近ばんきん、「探偵小説」流行の現象は、一体何ういう風に解釈すべきなのであろうか。そういう点から問題を考えて見よう。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
しかし久美子の日記の中の『S』の字は、今や万鈞ばんきんの重みをもって、彼の全生活を押えつけているのでした。
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
廷珸は大喜びで、天下一品、価値万金ばんきんなんどと大法螺おおぼら吹立ふきたて、かねて好事こうずで鳴っている徐六岳じょりくがくという大紳たいしんに売付けにかかった。徐六岳を最初から廷珸は好い鳥だと狙っていたのであろう。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
晩近ばんきんに及て、これを非する説ますます盛なりという。これによりてこれを見れば、奉教の人この日にあたり、安息してひとりを慎み天を敬するがごときは、もとより可なり。
日曜日之説 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
勿論輓今ばんきんやゝ我人心が少しく内に向ひ、国粋保存の説が歓迎さるゝの現象は見ゆれど、是唯我人民が小児然たる摸倣時代より進んで批評的の時代に到着したるの吉兆として見るべきものにして