万鈞ばんきん)” の例文
二葉亭に接近してこの鋭どい万鈞ばんきんの重さのある鉄槌に思想や信仰を粉砕されて、茫乎ぼうことして行く処をうしなったものは決して一人や二人でなかったろう。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しかし久美子の日記の中の『S』の字は、今や万鈞ばんきんの重みをもって、彼の全生活を押えつけているのでした。
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)