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蹴
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けっ
ふりがな文庫
“
蹴
(
けっ
)” の例文
と足を取ってすくわれたから仰向に倒れる処へ、甚藏が乗掛って掴まえようとする処を、新吉が足を挙げて股を
蹴
(
けっ
)
たのが
睾丸
(
きんたま
)
に当ったから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
隣の室では人が入ったり出たり、廊下を駈けたり、階段を
蹴
(
けっ
)
たり、
私語
(
ささや
)
いたり
叱
(
しか
)
ったりする。思い合わすれば、たしかに変事があったに相違ない。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ツンと横を向く、脊が
屹
(
きっ
)
と高くなった。
引
(
ひっ
)
かなぐって、その手巾をはたと
地
(
つち
)
に
擲
(
なげう
)
つや否や、
裳
(
もすそ
)
を
蹴
(
けっ
)
て、
前途
(
むこう
)
へつかつか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殆ど前半身を宙に伸び上げ細い前足で空を
蹴
(
けっ
)
て居る欧洲一の名馬、エピナールに乗り、その持主、パウル・ウエルトハイマーが通ると人々は息を止め、霧の中で盛な拍手が起った。
ドーヴィル物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
負傷して水に落ちたものもある。負傷せぬものも急に水中に飛び込んで、皆片手を端艇の
舷
(
ふなばた
)
に掛けて足で波を
蹴
(
けっ
)
て端艇を操りながら、
弾丸
(
たま
)
が来れば沈んで避け、又浮き上がって汐を吐いた。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
わたしも少しく顔を
陰
(
くも
)
らせた。震災に焼かれてバラツクを建てゝ、それを又焼かれては
堪
(
たま
)
らない。まつたく踏んだり
蹴
(
けっ
)
たりの災難であると、わたしは我身にひきくらべて、心から気の毒に思つた。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女学生が五十人ばかり行列を整えて
向
(
むこう
)
からやってくる、こうなってはいくら女の手前だからと言って気取る訳にもどうする訳にも行かん、両手は
塞
(
ふさが
)
っている、腰は曲っている、右の足は空を
蹴
(
けっ
)
ている
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いろ/\訳があって
皆
(
みんな
)
私
(
わっち
)
が
拵
(
こしら
)
えた事、というのは私が萩原様の
肋
(
あばら
)
を
蹴
(
けっ
)
て殺して置いて、こっそりと新幡随院の墓場へ忍び、新塚を掘起し、
骸骨
(
しゃりこつ
)
を取出し、持帰って萩原の床の中へ並べて置き
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蹴
常用漢字
中学
部首:⾜
19画
“蹴”を含む語句
蹴倒
蹴飛
蹴上
蹴球
一蹴
蹴立
蹴返
蹴躓
蹴合
蹴開
蹴起
足蹴
蹴出
蹴落
蹴鞠
蹴散
蹴込
蹴破
蹴爪
蹴放
...