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蹤
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あと
ふりがな文庫
“
蹤
(
あと
)” の例文
僕等はたとひ意識しないにもせよ、いつか前人の
蹤
(
あと
)
を追つてゐる。僕等の独創と呼ぶものは僅かに前人の蹤を脱したのに過ぎない。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
近曾
(
このごろ
)
九九
すずろに物のなつかしくありしかば、せめて其の
蹤
(
あと
)
をも見たきままに帰りぬれど、かくて世におはせんとは
努々
(
ゆめゆめ
)
思はざりしなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
従来善牙獅の
蹤
(
あと
)
を追い残肉を食い行く性悪の一老野干あり、今虎が獅と連れ行く事となって自分の得分が乏しくなったのを
憾
(
うら
)
み離間策を案出し
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
火遁の術は奇にして
蹤
(
あと
)
尋ね
叵
(
かた
)
し 荒芽山畔
日
(
ひ
)
将
(
まさ
)
に
沉
(
しず
)
まんとす 寒光地に
迸
(
ほとばし
)
つて刀花乱る 殺気人を吹いて血雨
淋
(
りん
)
たり
予譲
(
よじよう
)
衣を撃つ本意に非ず
伍員
(
ごいん
)
墓を
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
さらに快活なる意気をもって
泰西
(
たいせい
)
文明の
蹤
(
あと
)
を追走し、もってこれと競争せんと欲するがごときの形勢を現出したるは、吾人がかつ訝りかつ祝するゆえんにして
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
此詩は茶山と波響との交を知る好資料であつて、
啻
(
たゞ
)
に甲子舟遊の発端を見るべきのみでなく、寛政より文政に至る間の二三聞人の聚散の
蹤
(
あと
)
がこれに由つて明められる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
先人の
蹤
(
あと
)
をふみつゝ、
益
(
ます/\
)
その深奥な『自然』に面して勇しく進んで行かなければならない。
小説新論
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
やや有りて彼は
嬾
(
しどな
)
くベットの上に起直りけるが、
鬢
(
びん
)
の
縺
(
ほつ
)
れし
頭
(
かしら
)
を
傾
(
かたぶ
)
けて、
帷
(
カアテン
)
の
隙
(
ひま
)
より
僅
(
わづか
)
に眺めらるる庭の
面
(
おも
)
に見るとしもなき目を遣りて、
当所無
(
あてどな
)
く心の
彷徨
(
さまよ
)
ふ
蹤
(
あと
)
を追ふなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
明治二十二年の夏には、父に伴われて磐梯山破裂の跡をたずねての帰途初めて、二十七年の九月には、利根水源探検隊の
蹤
(
あと
)
を
趁
(
お
)
って偶然にも、私は尾瀬の一部に足を蹈み入れた。
尾瀬の昔と今
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
天衣無縫と言おうか、鳥道
蹤
(
あと
)
なしと言おうか、まるで引っかかりがありません。ただすべすべした
珠玉
(
たま
)
でありました。そして当人はそれを無理に努めているようにも見えません。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
雲突く
修驗山伏
(
すげんやまぶし
)
か、
先達
(
せんだつ
)
の
蹤
(
あと
)
蹈
(
ふん
)
でゆく。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
世をば
激
(
げき
)
せし
蹤
(
あと
)
を見よ
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
僕の俊寛もこの点では、菊池氏の俊寛の
蹤
(
あと
)
を追ふものである。唯菊池氏の俊寛は、
寧
(
むし
)
ろ外部の生活に安住の因を見出してゐるが、僕のは
必
(
かならず
)
しもそればかりではない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蹤
(
あと
)
跡
(
つ
)
け行くとここに至って見えず、その地を掘って金を求めた跡が現存すといい、二四〇巻には秦の恵王蜀を伐たんとて石の牛五頭を作り、毎朝金をその後に落し牛が金を便するという
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
蹤
漢検1級
部首:⾜
18画
“蹤”を含む語句
蹤跡
先蹤
追蹤
前蹤
後蹤
游蹤
血蹤
踪蹤
蹤蹈
蹤蹟
遊蹤
遺蹤