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負
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ひけ
ふりがな文庫
“
負
(
ひけ
)” の例文
ヴァイオリン弾きは、かれを横目で見ながら、決してこの男などに
負
(
ひけ
)
をとらないという暗示を与えるようにツケツケ叫ぶのであった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それはタイプライタアを叩く事で、この道にかけての陛下の手際は、
倫敦
(
ロンドン
)
で名うてのタイピストに比べても決して
負
(
ひけ
)
は取られない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
比較的に気の弱いお屋敷の子は荒々しい町っ子に混って
負
(
ひけ
)
を取らないで遊ぶことは出来なかったが彼らは物珍しがって私をばちやほやする。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
マーキュ さゝ、
足下
(
おぬし
)
はイタリーで
誰
(
た
)
れにも
負
(
ひけ
)
を
取
(
と
)
らぬ
易怒男
(
おこりむし
)
ぢゃ、
直
(
ぢき
)
に
怒
(
おこ
)
るやうに
仕向
(
しむ
)
けられる、
仕向
(
しむ
)
けらるれば
直
(
すぐ
)
怒
(
おこ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
議論にかけては威命天下に響ける夫中将にすら
負
(
ひけ
)
を取らねど、中将のいたるところ友を作り
逢
(
あ
)
う人ごとに慕わるるに引きかえて、愛なき身には味方なく
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
此方は遇然にも
並
(
そろ
)
つた初段級の腕達者ぞろひであつたから、彼等に
負
(
ひけ
)
をとつた験はなかつた。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
やくざのほうでは
負
(
ひけ
)
は取らないが、その連中、
気障
(
きざ
)
で薄っぺらで鼻持ちがならない。
顎十郎捕物帳:01 捨公方
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
お
前
(
めえ
)
も本所の旦那の子分、己も子分だ、旦那が表へ出られなくっているのに子分が本所へ来て
恥辱
(
けじめ
)
を食って、身を投げるとはどういう訳だ、旦那は子分が喧嘩で
負
(
ひけ
)
を取っては見てはいられねえ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伊太利
(
イタリー
)
のヴエニスには美しい女が多い。世界中のどこの都に比べても、美しい女にかけては決して
負
(
ひけ
)
を取らない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鵬斎の着物がこんなに古かつたかどうかは知らないが、あまり
負
(
ひけ
)
は取らなかつたに相違なかつた。
茶話:12 初出未詳
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それを目の前で見せつけられた犀水氏は、宿に帰つて、一部始終を
相宿
(
あひやど
)
の黒田清輝氏と岩村透氏とに話した。二人は仏蘭西
仕込
(
しこ
)
みの、
悪戯
(
いたづら
)
にかけては誰に
負
(
ひけ
)
を取らない人達である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
仲間には、高村光雲氏の弟子で、泰雲といつた、
蛞蝓
(
なめくぢ
)
の好きな男も
交
(
まじ
)
つてゐた。白砂糖にまぶして三十六
尾
(
ぴき
)
まで蛞蝓を
鵜呑
(
うのみ
)
にしたといふ男で、
悪食
(
あくじき
)
にかけては滅多に
他
(
ひと
)
に
負
(
ひけ
)
は取らなかつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
星島氏も親孝行にかけては松本氏に
負
(
ひけ
)
を取らなかつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“負”の意味
《名詞》
(フ)実数で零(無)より小さい数。
(フ)悪い状態。否定的な状態。厭わしい状態。
(出典:Wiktionary)
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“負”を含む語句
背負
脊負
負傷
勝負
負惜
手負
負債
負傷者
請負
気負
引背負
背負梯子
贔負
負目
背負上
背負籠
背負子
御負
背負投
負嫌
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