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訣別
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わかれ
ふりがな文庫
“
訣別
(
わかれ
)” の例文
あの
折
(
おり
)
は
思
(
おも
)
いの
外
(
ほか
)
の
乱軍
(
らんぐん
)
、
訣別
(
わかれ
)
の
言葉
(
ことば
)
一
(
ひと
)
つかわす
隙
(
ひま
)
もなく、あんな
事
(
こと
)
になって
了
(
しま
)
い、そなたも
定
(
さだ
)
めし
本意
(
ほい
)
ないことであったであろう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
間もなく紅葉の
訃
(
ふ
)
は伝わって、世を
挙
(
こぞ
)
ってこの
比
(
たぐ
)
い少ない天才の
逝
(
ゆ
)
くを痛惜したが、訃を聞くと直ぐ、私は弔問して亡友の遺骸に
訣別
(
わかれ
)
を告げた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
先君の御名が立たぬ、お志の段は
忝
(
かたじけ
)
ないが、お城へ、お
訣別
(
わかれ
)
を告げて引きとられい。岡野、井関、大岡の諸氏へも、昨日そう申して御得心していただいた事であった
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私が
訣別
(
わかれ
)
の
詞
(
ことば
)
を書いた手紙をもって戸外へ出ると、そこは彼女の家の裏まで
田圃
(
たんぼ
)
つづきです。
流転
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
故国
(
くに
)
の親類縁者へ手紙を出すものは出す、また江戸に親兄弟のあるものは、それぞれ訪ねて行って、それとなく
訣別
(
わかれ
)
を告げるというように、一党の気はいはどことなく
騒
(
ざわ
)
だってきた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
▼ もっと見る
篠田は梅子の肩、
両手
(
もろて
)
に抱きて「心弱きものと御笑ひ下ださいますな——アヽ今こそ此心晴れ渡りて、一点
憂愁
(
いうしう
)
の
浮雲
(
ふうん
)
をも認めませぬ、——然らば梅子さん、是れでお
訣別
(
わかれ
)
致します」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
大杉の一生を花やかにした野枝さんとの恋愛の犠牲となった先妻の堀保子も、イヤで別れたのでない大杉に最後の
訣別
(
わかれ
)
を告げに来て慎ましやかに控えていたが、恋と生活とに
痩
(
やつ
)
れた姿は淋しかった。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
落城後
(
らくじょうご
)
私
(
わたくし
)
があちこち
流浪
(
るろう
)
をした
時
(
とき
)
にも、
若月
(
わかつき
)
はいつも
私
(
わたくし
)
に
附添
(
つきそ
)
って、
散々
(
さんざん
)
苦労
(
くろう
)
をしてくれました。で、
私
(
わたくし
)
の
臨終
(
りんじゅう
)
が
近
(
ちか
)
づきました
時
(
とき
)
には、
私
(
わたくし
)
は
若月
(
わかつき
)
を
庭前
(
にわさき
)
へ
召
(
よ
)
んで
貰
(
もら
)
って、この
世
(
よ
)
の
訣別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「さらば——」と、一同へ
訣別
(
わかれ
)
を告げた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうせ、今宵かぎり、この国の人とも山河とも
訣別
(
わかれ
)
てゆくおまえだから、知らないものならいうまいと思ったが、気づいたからは
審
(
つぶさ
)
に話そう。あの灯はた、お
那珂
(
なか
)
さんが、糸仲買の専右衛門に、嫁に
娶
(
もら
)
われてゆく仰山な明りだよ」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“訣別”の意味
《名詞》
訣別(けつべつ 「決別」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
きっぱりと別れること。完全に離れること。
暇請いすること。
(出典:Wiktionary)
訣
漢検準1級
部首:⾔
11画
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“訣別”で始まる語句
訣別演奏会