ろう)” の例文
旧字:
「ケ、ケ、ケ、ケ、野郎どうだ! 金城鉄壁物かはと云う槍の手並みをごろうじろ! やい背後うしろを振り返って見ねえ!」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
では、おいとまさせていただきます。したが、あなたさまは何で先程からわたくしの足元ばかりごろうじてでございます。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
うってがえしに、あの、ごろうじ、石段下を一杯に倒れた血みどろの大魚おおうおを、雲の中から、ずどどどど!だしぬけに、あの三人の座敷へ投込んで頂きたいでしゅ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
受けるままに馬道の噺はお白洲の大岡さまお裁きまでいってしまって、「大工は棟梁仕上げを御ろうじませ」のさげといっしょに大へんな受け方をして揚々と下りてきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「まあ、ごろうじませ、あのように、十八公麿さまが、小さいお手へ、数珠じゅずをかけて、御像みぞうを拝んでおいでなされます。誰も、教えもせぬに、何というしおらしい——」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おしずかにお寝みあそばせ、ごろうじませ、あんなに明日はよいお天気のきざしにございます。」
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
みなの衆、まずためしに、自分がみそさざいにでもなったと考えてごろうじ。な。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのような訳では御座いませんが考えても御ろうじませ。
「はい、間もなく顫えが止りましょう、ごろうじませ、ほら、だいぶしずまってまいりました。」
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ろうぜよ、今や、朝廷の御衰微、四海の騒乱、百姓たちも安んぜぬ世の様を。信長は、赤沢殿以上、放鷹は大好きでござるが、思うに、今はこれをもてあそぶ時でもありますまい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「根もとから一太刀できり落とした、刀の冴えをごろうじろ。きり手は武辺者に相違ござらぬ。しかも非常な手練の武士だ。……ところでその髪のまげの形を、一閑老にはご存知かな?」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
第一、思うてもごろうじませ、源家の残党なら、何でてまえ如き取るにも足らぬ人間をつかまえて、こちらの鳥居わきの大木へなど引っ吊るしましょう。……ああいう魔性ましょうな事を
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……サッと投げてスッと引く、紐さばきを先ずごろうじませ。……紐を放れた孕独楽が、さながら生ける魂あって、自在に動く神妙の働き、お眼とめてご覧じ下さりませ! ……東西々々
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いえ、さようなことはございませぬ。誰かをごろうじましたか。」
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「ごろうじませ。馬の背を。——その馬の背に引ッくくってある奴こそ、関東者の隠密で」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貞時様、これごろうじませ。」
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「妾にはとんとせぬことでござりまするが、とにかくこれを読んでごろうじませ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごろうじませ。あれにお船座ふなざしつらえて、お待ちしおりますところで」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「仰っしゃってごろうじませ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ろうじたであろうが
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごろうじませ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごろうじませ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごろうじませ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)